対象看護大学、臨地実習協力病院の看護師を対象にしたマスタートレーナー研修の実施

本プロジェクトでは、対象看護大学、臨地実習協力病院に「マスタートレーナー」を育成し、彼らが各大学、病院で教員・看護師の能力を育成するカスケード型の能力育成を計画しています。その第1段階として、マスタートレーナー研修(第1バッチ)を対象者34名に2月13日~28日の12日間の日程で実施しました。今後、今年8月に第2バッチを行い、対象看護大学と協力病院に合計64名のマスタートレーナーが配置される計画です。

修士以上、英語能力、ICT能力、コミュニケーショ力、チームワーク等マネジメント力などを満たす候補者を各大学・病院に選定依頼し、候補者をプロジェクトで精査。看護・助産総局(DGNM)、対象大学、協力病院と合意の上、マスタートレーナー候補としました。講師は、対象看護大学学長、協力病院看護部長、国立高等看護教育研究所(NIANER)教員、プロジェクト第1フェーズの協力病院看護師 *1グラミン・カレドニアン看護大学教員などが担当し、プロジェクト専門家と教材やグループワーク、実技演習を協働で作成し、当日は主にベンガル語で研修を行いました。

従来の政府主導の研修は座学が大半を占めていましたが、実際の教育・臨床現場で即実践できる教育法の普及を目指し、座学は15から20分程度とし、ディスカッション、グループワーク、実技実習、プレゼンテーションなどの時間を多く設けることで参加型の研修を実現しました。研修に対する参加者の評価は94%が「良い」以上、6%が「普通」と非常に高く、参加者自身の満足度も高かったことが伺えました。中には、一度見学に来て「とても為になるから」と興味を持ち、講義を引き受けていないのに自費で見学に来てくれる、あるいは講義を担当していない日にも毎日会場まで来てくれる対象大学学長や看護部長の姿もありました。

研修最終日は、マスタートレーナー研修を振り返るという議題で参加者全員が3分間のプレゼンテーションを実施し、今後自分たちの大学/病院で行う能力育成のアクションプランも発表されました。

この研修は、参加すれば認定証が貰えるという形ではなく、ポストテスト結果、グループワーク等の参加態度、実技実習態度、チームワーク、プレゼンテーション能力などを総合的に評価し、認定基準を満たした参加者のみがマスタートレーナーの認定を得る仕組みです。認定者には認定証とマスタートレーナーのバッジが贈られる予定です。


*1:ダッカ医科大学病院

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研修2日目:グループワークの様子

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研修9日目:実習の様子