ベトナム政府は1986年のドイモイ政策開始以降、市場経済化への移行を進めており、さまざまな開放政策の一環として市場経済化に対応する法制度の整備を進めてきている。1992年の憲法制定以降、1990年代には多くの法律が整備されたが、基礎的法理論・立法技術が未発達であり、また計画経済的思考からの移行途上にあったため、この時期に制定された多くの法律が短い期間で大幅改定を余儀なくされるなどの課題を抱えていた。ベトナム共産党中央委員会政治局は2005年に第48号決議「法制度整備戦略」(近代的な法治国家への転換と市場経済体制の確立を目指した2020年までのベトナム法整備及び法運用・法執行体制改善のための戦略…