【提案者】
高橋 美佐紀さん(左)
門田 正吾さん(右)
【想定した対象地域】
インドネシア
【解決を目指す課題と目標】
アグロフォレストリーの普及を促進する。
【プレゼンテーションの概要】
プロジェクトタイトルである「HUTAN」にはインドネシア語で「森林」の意味があります。森林保全を目指して進められているはずの「アグロフォレストリー(森林を守りながら収益を上げられる農法)」の普及に時間が掛かっていることには、以下のような原因があります。
1.作物の販路が確立されていない。
2.農法の普及にトレーニングなどが必要。
3.種の購入など初期投資が必要。
そこで、課題を解決するための方法として、アグロフォレストリーによって収穫された「スーパーフード」を使った料理教室を日本(先進国)で開催します。
日本国内の料理専門学校などと連携し、設備の整った専門学校の教室などを料理教室の開催場所として確保。講師は専門学校の学生が務めます。インドネシアからの留学生が通訳を務め、アグロフォレストリーを実践する現地とスカイプなどを活用して交流を図ります。協力していただく料理教室には、このプロジェクトをPRなどに活用できるというメリットがあります。
日本でもスーパーフードの市場規模は拡大しつつあるものの「レシピがわからない」という課題があり、スーパーフードの料理教室には堅実なニーズが見込めます。収穫した作物の付加価値とニーズを高めることで、現地の生計向上を支援。また、アグロフォレストリーを始めるための初期投資にクラウドファンディングを活用して、現地の農家がアグロフォレストリーに取り組むためのハードルを下げたいと考えています。
スーパーフードを使った料理教室を日本で展開!
実現性の高さが高評価。
浦口あやさん(CIジャパン)
料理教室に通った経験があるが、料理教室の生徒の立場から見ても行ってみたいと思った。とても魅力的なアイデアだと思う。
まず、事前に非常によく調べられている。それも一つの側面からだけでなく、途上国、先進国それぞれに有する課題に対し、国際的な視点、ビジネス的な視点双方からとらえ、かつ「需要」と「供給」の両方から見ていて、調査のセッティングの仕方が素晴らしい。特にアグロファレストリーといったこれから進めたいことに、料理教室というすでに成立している産業を組み合わせるというところに、いいセンスを感じた。
新しいものを作るときに、今あるものをそこから一歩進めるというのが現実性が高いのではないかと思う。また、体制がしっかりしている。
いろいろな取り組みに必要になる関係者が良く調べられていて、かつ「途上国に役に立ちそう」といったレベルではなく、各関係者へのメリットにまで落とし込んでいるところが素晴らしい。
谷中修吾さん
パックン
環境問題においての対策案はだいたい、危機感や希望に溢れながら、具体性と現実味に欠けて、夢のままで終わってしまいそうなものが多い。そこで、今回の最優秀賞、Cooking Forestは、説得力抜群のデータを持ってアクションを呼びかけた上、熟慮したビジネスプランを提供している。地球にとってのメリットだけではなく、アグロフォレストリーにとりかかってほしい現地のみなさんにとってのメリットもしっかり伝える、理想的なプレゼンだ。
スライドは文字が多くて、観客は読むのに疲れる心配はあるが、パワーポイントに欲張りすぎるのはよくある、小さな失敗。その一点を除けば、プレゼン内容はよく練られて、面白いビジュアルと同時に理路整然とした主張をうまく伝えていると思う。
何よりも、観終わったときは、地球に対する心配ではなく、自分ができることに集中する人が多いはず。これが本当の希望につながるのではないかと思う。このプレゼンこそが、森林復活のためになる、さまざまな種を蒔くことになりそう。
マックン
アグロフォレストリーの仕組みで、今日本で注目されているスーパーフードを栽培するという発想と、そのスーパーフードの受入れ先、流通先までしっかり考えられているのが素晴らしいです。また、途上国の環境破壊防止、人材雇用、育成、安定収入による貧困救済と、日本人の健康管理、人材育成など、メリットがたくさんあり、拝見していて納得のいく具体的な案も多く、すぐにでも取り組める企画、プロジェクトではないでしょうか。
僕も料理教室に通ってスーパーフードを使った料理を勉強して家族の健康管理を考えたいと思います。