イベント情報

【現地からの報告】
COP21ジャパンパビリオン『JICA-JAXA 熱帯林監視システム 〜森林ガバナンス改善イニシアティブ』を発表

プログラム

●冒頭挨拶
鬼木誠氏(環境大臣政務官)

●講演1
テーマ:「熱帯林変化検出システム」のコンセプト
宍戸健一氏(JICA 地球環境部審議役兼次長 ※森林・自然環境グループ担当)

●講演2
テーマ:「熱帯林変化検出システム」の技術的特徴
島田正信氏(JAXA 地球観測研究センター 客員主任研究員/東京電機大学教授)

●講演3&4
テーマ:熱帯林諸国における課題とシステムへの期待
後藤健氏(国際熱帯木材機関(ITTO)事務局次長)
Mr. Gewa Gamoga(パプアニューギニア国森林公社 REDD・気候変動課課長)

●質疑応答

セッションサマリー

独立行政法人国際協力機構(JICA)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)はJAXAの陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)を用いて熱帯林の伐採・減少の状況をモニタリングする「熱帯林変化検出システム」の新たな構築を中心とした、世界の熱帯林保全に貢献する「森林ガバナンス改善イニシアティブ」を発表しました。

JICAとJAXAは、その検出結果を解像度50mで、来年度から平均約1.5ヶ月毎にJAXA等のウェブ上で公開します。これにより、森林減少が深刻な国々の違法伐採等が抑止され、長期的には森林減少を抑制することによる気候変動の有効な対策として期待されています。

本セッションでは、まず、JICA宍戸審議役兼次長より「熱帯林変化検出システム〜森林ガバナンス改善イニシアティブ」の概要について説明するともに、ブラジルにおけるこれまでの協力事例について紹介。

続いて、JAXA 島田客員主任研究員より、陸域観測技術衛星「だいち2号(ALOS-2)」に搭載されているLバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)の技術的特徴の紹介及び同システムの技術的側面についての説明がありました。

ITTO事務局 後藤次長からは、熱帯林を取り巻く現状や持続的森林管理に係る調査結果とともに、熱帯林の有する課題について発表。最後にパプアニューギニア国森林公社の Gewa課長から、同国の森林の現状の紹介及びALOS-2を活用した準リアルタイムでの森林モニタリングに対する期待が表明されました。

質疑応答は時間の制約もあり、ITTOの取組に対する質問が1点あったのみでしたが、イベント終了後もカンボジア等から同システムを是非活用したいとのコメントがありました。

キーメッセージ

「だいち2号」の観測データを用いた違法伐採監視については、アマゾンのあるブラジルなど熱帯林を有する各国から高い関心が寄せられています。このような関心を踏まえ、JICAとJAXAが共同で「森林変化検出システム」を構築し、世界に公開する。JICAとJAXAは衛星技術を活用し、世界の熱帯林保全に貢献していきます。


▲ TOP