地元で唯一の高校は
人々に開かれた場所。
年齢の近い生徒たちとは仲良しに。
赴任したのはパプアニューギニア西部のキウンガという街にある唯一の高校。ここで、理数科教師として物理と数学を教えました。キウンガには大学がないため、いわばここが地域の最高学府です。高校教師は地元の人から尊敬されますし、地域とのつながりも強いのが特徴でした。村のイベントも全てこの高校で行われ、卒業式には村人がみんなでやってきます。
そんな地域の中心的存在の高校に派遣されて来た若い日本人ということで、私はどこへ行っても注目の的。ちょっとした有名人になった気分でした(笑)。ここでは学校が地域の人々に開かれた存在であることに、日本との違いを強く感じました。
学校では、毎日の授業のカリキュラムを作ったり、間違いが散見される教科書を直しながら教えたりと、なかなか大変な日々。ただ、生徒たちとは年齢が近かったこともあって、とても仲良くなれました。中でも一番思い出に残っているのは、自分の受け持つクラスの生徒たちと、ホームパーティーで楽しい時間を過ごしたことですね。生徒たちが生きている鶏を見事にさばいたり、木にするするっと登ってバナナを取ってきたりするのには驚かされました。私は日本食を作って、生徒たちに振る舞うことに。今思えばちょっとした文化交流の場でもありました。学校の外だからこそ見られた、生徒たちの素顔が面白かったです。