現地の人々の健康を
守るために始めた家庭菜園。
村の一員になりきって、
積極的に活動した。
派遣先のパナマでは、JICAが行う栄養プロジェクトの一員として、村の保健所で活動しました。プロジェクトの傍ら、村人の健康増進のために自分にできることはないか積極的に考え、気付いたのは、現地の人々が野菜をあまり食べないこと。偏った食生活のため、生活習慣病にかかる人がたくさんいたのです。
そこで、村の政府職員の助けも借りながら、地域の貧困層の方々への普及を目的とした家庭菜園を開始しました。初めは無関心だった村人も、私がトマトやナスを作っていると次第に興味を示すようになり、少しずつ家庭菜園が広まっていきました。
家庭菜園でできた野菜を使ったレシピを考える料理大会も開催。最初は、なじみのない野菜を使ってレシピを考えることに現地の人々も戸惑い気味でしたが、最終的には素晴らしいレシピを編み出してくれるようになりました。そんな皆さんの姿を見るのが、本当にうれしかったですね。
他にも、子どもたちとヨサコイソーランを踊ったり、町のゴミ拾いをしたり、地域住民の肥満対策としてウォーキングをしたり、私も村の一員になりきってさまざまな活動を展開しました。
とはいえ、日々の活動の中では、さまざまな苦労がありました。例えば、一生懸命考えた企画に参加者が集まらなかったり、同僚の栄養士の協力を得るまでに時間がかかったりと、その時々でいろいろなことに悩んでいました。そんなときは友達と村のお祭りに行ったり、神父さんのところにギターを習いに通ったり、子どもたちと遊んだりして気分転換していました。結局、最後に私を支えてくれたのは、村の人たち。私が完璧ではなかったからこそ、現地の人にたくさん助けてもらえたと思っています。