株式会社ローソンコミュニケーションを重ねて
信頼関係を構築した経験に期待

  • グローバル人材の育成・確保

当社では「私たちは"みんなと暮らすマチ"を幸せにします」という企業理念を掲げていますが、これは「幸せにしてあげる」といった上からの目線で行動するのではなく、お客様のことを思って行動を起こすことが原点です。相手のことを思いやり、相手が喜んでくれることをするというのは、青年海外協力隊のみなさんの活動と一緒なのではないかと社長の新浪が考えたことが、協力隊経験者を採用するきっかけでした。
 実際にJICAの担当者に話を聞くと、当社の業務と似ている点があることがわかりました。当社は全国各地に1万店以上の加盟店がありますが、今は1店舗の商圏が狭くなっていることもあり、店舗によってお客様のニーズはさまざまです。そのニーズに対応するために、各加盟店のオーナーさんと対話しながら売り場を作っていくのが重要となります。その業務を行うのがスーパーバイザー(SV)と呼ぶ店舗経営指導員ですが、SVとオーナーさんとの関係は、協力隊員と途上国の人たちとの関係と共通しているように思います。
 オーナーさんはたいていSVよりも年上で、店舗のある地域に根ざした方です。最初は苦労することも多いですが、コミュニケーションを積み重ねることで徐々に信頼関係を築くことができます。協力隊の人たちも、現地の人たちにうまく溶け込めなかったり、コミュニケーションで失敗したりすることもあるでしょう。でも、相手の立場を考えて話し方を変えてみるなど、そうした失敗を克服し、現地の人から頼られるくらいの関係を築いたという経験は大切で、それは当社の業務でも生かせます。
 また、SVとして店舗の改革などを行ってもすぐに売り上げにつながるとは限らず、自分が担当をかわってから結果が出ることもあります。そこも協力隊の活動と一緒かもしれませんね。

 こうした共通項があることから、当社では協力隊経験者を対象に求人を出し、2人採用しました。私はその面接試験には立ち会わなかったのですが、入社式の際に、周りのみんなに積極的に話をする人が目にとまりました。あとで聞くと、その人が協力隊経験者だったのです。そうした高いコミュニケーション能力を持つ協力隊経験者には大いに期待しています。

※2011年12月26日日本経済新聞朝刊に掲載されたコチラの記事もご覧ください。
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ヒューマンリソース ステーション
人財開発部長
中村 剛さん

株式会社ローソンでは、全国各地に1万店以上の店舗を展開している

PROFILE

株式会社ローソン
設立:1975年4月
所在地:東京都品川区大崎1-11-2ゲートシティ大崎イーストタワー
事業内容:コンビニエンスストア「ローソン」のフランチャイズチェーン展開
従業員数:5,703名(2011年2月末現在)
協力隊経験者数:2名(2011年5月現在)
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