浦田広美 青年海外協力隊 21年度3次隊/ボリビア/村落開発普及員
青年海外協力隊(職種/村落開発普及員)では、ボリビアのプレスト村役場環境課へ配属になり、住民を対象にリサイクル活動や環境教育の活動を行いました。主に、①地域の学校でリサイクル活動をし、集めたリサイクルごみを役場の協力で隣の町へ売りに行ってもらい、その売り上げを学校で使うボールや運動服を購入する資金にして地域へ還元するプロジェクト、②環境向上の啓発絵画コンクールや、環境美化啓発壁画を各学校で生徒が制作するプロジェクトを提案、実施しました。協力隊経験後もボリビアで環境問題への取り組みを続けたいと思い、環境教育への積極的な取り組みをしていた団体 IL PONTE基金にて、美術の授業に訪れる地域の子供を対象とした環境教育の授業を担当しました。
IL PONTE基金での経験を通して、行政側の環境問題への対応が何もされていない場所での環境教育に行き詰まりを感じ、地域の行政がごみの問題に取り組むことの重要性を実感しました。今回インターンを希望するNPO法人DIFARが、農村地域の総合的な発展を目指し、市町村と連携して家庭ごみの堆肥化やごみの分別回収プロジェクトを実施していることを知り、地域に活かされる、地域と連携したNGOの環境問題への取り組み方法、効果的な啓発活動の実施方法、行政と連携したプロジェクトの運営方法、マネジメント業務を学びたいと思い、活動を希望するに至りました。
現地での活動では、市単位のごみ分別リサイクルプロジェクトに関わるあらゆる活動に積極的に関わり、NGOのごみ問題への取り組み、NGOと市との連携した活動の進め方、NGO業務の運営について、また、啓発活動、広報活動について、広く知ることができました。特に、活動の最後の月には住民への啓発活動の一環として、環境絵画コンクールを企画し、準備、実施に主体となって関わったことで運営方法を自らの経験を通して学ぶことができました。パンフレット制作やカレンダー制作に関われたことも、広報活動を学べた良い機会になりました。
常にたくさんの人と連携してインターンの活動をできたことも、とても勉強になりました。たくさんの人が関わる市のプロジェクトにおいては、関係者間での正確な情報共有が進捗状況に影響を与えるため、日頃のコミュニケーション、連絡業務が重要であると学び、またプロジェクトを円滑に進める上で、現地の人と良い関係を築くことがとても大切なことだと実感もしました。現地のスタッフや住民といつも笑顔で活動できたことが嬉しいことでした。
JOCVの時は自らが配属先の中でできることを探し活動を計画し実行していましたが、NGOで働く際は、既にあるプロジェクト計画に沿って活動を計画していかなければいけません。日々の業務の中で起こる摩擦を調整しながら、現地スタッフの考えも尊重しながら、プロジェクト計画が達成されるよう業務調整をするのはとても難しいことでしたが、やりがいのあることでもありました。日々の細かい作業の積み重ねが大きなプロジェクトの元になっており、日々の業務の一つ一つを丁寧に確実に実施して行くことの大切さを学びました。
この制度で得た全ての経験が今後の活動に生かされていくと確信しています。
今後は会員としてDIFARの活動に関わりながら、フェアトレード制度、伝統工芸の保護や地域おこしについて活動している会社や団体から情報を集め、NGOの立ち上げを視野に入れて、現地ボリビアでの活動をはじめる準備をしていく予定です。 日本とボリビアをつなぐ架け橋のような団体の設立を目指します。