[特集]現役隊員も参加のメリットがたくさん
OV会&職種別グループで先輩隊員とつながろう

竹内英祐さん
青年海外協力隊広島県OB会 会長
竹内英祐さん

ウガンダ/土木/2008年度4次隊・広島県出身






日本の家族に安心してもらう
青年海外協力隊広島県OB会

2023年2月4日に行った、家族連絡会(留守家族懇親会)の様子

2023年2月4日に行った、家族連絡会(留守家族懇親会)の様子

「送り出してくれた家族に心配をかけたくない」という思いはどの隊員にもあるだろうが、送り出した家族も笑顔で送り出したものの、不安はゼロではない。

   1985年ごろから1年に1度「家族連絡会(留守家族懇親会)」を行っているのは、青年海外協力隊広島県OB会だ。コロナ禍で昨年と一昨年は開催を断念したものの、今年は2月に行った。会長の竹内英祐さんにお話を伺った。

「対象は広島県出身の派遣中隊員のご家族で、現役隊員10人のご家族、計16人が参加してくださいました。内容は現在の協力隊の動向、現地での健康管理・安全対策、帰国した隊員の活動報告、帰国後の進路相談体制の紹介などと質疑応答。その後広島県OB会の紹介および懇談に入り、ざっくばらんにメンバーであるOVと話をしてもらいました。話がしやすいように各テーブルに茶菓子を用意し、懇談しました」

   家族連絡会は、40年近く前に広島県の国際交流室や青年海外協力隊事務局、広島県OB会が密に連携を取り始めた時期があり、その中から協力隊事務局の発案で広島県OB会に呼びかけて始まったという。 近年はSNSなどにより家族と現役隊員間の連絡が容易に取れるようになったことや、コロナ禍のため中止の声もあったが、家族にアンケートを取って開催を決めた。「ご家族はいろいろな思いを持って隊員を送り出していると思います。無事に帰国して仕事に就き、楽しく生活している協力隊OVの姿を見せることが、安心につながると思います」

   実際に参加した家族の反応はとてもよく、ボランティア事業に対する理解が生まれ、帰国後の就職などの心配が解消したといった感想もある。連絡会でのアットホームな雰囲気が気に入り、その後の広島県OB会の飲み会などに個人的に参加する家族もいるそうだ。

年に1度発行している会報

年に1度発行している会報

「派遣前の壮行会などで仲良くなった隊員と連絡先を交換し、ご家族が家族連絡会に参加された場合には、できるだけご家族と一緒に写真を撮り、隊員にその写真をメールします。その写真を隊員からご家族にも送ってもらうことで、家族間のやりとりが増えることを期待してのことです」

   広島県OB会では、派遣前の隊員にアンケートを取っている。これは任期中に広島からエールを送りたいという意図がある。「派遣前の気持ちを聞いたアンケートを会報に全員分載せ、現役隊員の方にも郵送しています(※)。任地で会報を読み、初心を思い出してもらえたらと思っています。また、派遣が1年程度の隊員数名に依頼した寄稿文も載せています」。

   広島県では、募集説明会に参加した時点からOB会になじみ、懇親会などに参加する人もいるという。帰国間近に現役隊員も広島県OB会のメーリングリストに加えて会の活動を知らせているそうだが、任期中の悩みを竹内さんに相談する現役隊員もいる。竹内さん自身も個人的に現役隊員の任地を訪ねることがあるそうだ。広島県から出発した隊員の方々は、頼れる先輩たちとつながってみてはいかがだろう。

※青年海外協力隊広島県OB会会報の郵送は、コロナ禍で郵便を受けつけていない国には発送できていないが、OB会ウェブサイトで公開している。

正式名称:青年海外協力隊広島県OB会

代表者:竹内英祐(会長)

2023年3月現在の会員数:住所もしくはメールアドレス登録のあるOV約460名

結成した年:1972年2月

入会資格:広島県から出発した隊員OV、県内で働いているなど広島県と関わりのあるOV

会費:2000円/年 ※「支払った人のみ総会などで議決権を持てます。会費を払っていなくてもイベントなどへの参加は可。ぜひ会費を払って参加していただければと思います」(竹内さん)。

総会などを行う頻度:総会は年1回、2月頃。定例会は適宜必要に応じて行う

問い合わせ先や入会方法:会のウェブサイトの問い合わせから
http://www.jocv-hiroshima.sakura.ne.jp/

Text = ホシカワミナコ(本誌)   写真提供=竹内英祐さん

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