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HOMESDG長年抱える課題「水」

SDG2020.06.30

目標8:働きがいも経済成長も

【バングラデシュにおける持続可能な開発目標(SDG)】

地域: ダッカ

分野:

持続可能な経済成長は、持続可能な開発の達成に向けて取り組む国々の重要な条件の1つです。持続可能な経済は、限られたすべての資源を持続可能な方法で管理・分配することにより、国民の繁栄を促進します。 持続可能な開発目標SDG8は、「包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」ことを目標としています。

通勤をよりスムーズに、オバイ社(Obhai Solutions Limited)のSDGs貢献

オバイ社(Obhai「日本語で「おーい、お兄さん」の意」)は、2018年に設立されたバングラデシュのライドシェアリングスタートアップ企業です。 同社は、都市住民に安全で信頼性の高い通勤手段を提供するというビジョンと使命

を掲げており、同国の同業他社の中で、最も多くの都市でサービスを提供しています。同社の対象都市は、現在20都市(ダッカ県、チョットグラム県、コックスバザール県、シレット県、クルナ県、クミッラ県、マイメンシン県、ナラヤンガンジ県、ボリシャル県、ジョソール県、ボグラ県、ラッシャヒ県、ランプール県)にのぼり、契約社員を含む220名のスタッフによって運営されています。

オバイ社の主要サービス

オバイ社は、モバイルアプリケーションベースのライドシェアリング事業であり、Google Playストアとアップルストアのどちらにも対応しています。同社の提供する主なサービスは下記の通りです。

  1. バイクライドシェアサービス(Obhai MOTO):バングラデシュの同業他社と同様、個人向けの相乗りサービスを提供しています。バイクの運転手は、同社のドライバー専用アプリをダウンロードし、必要な情報を登録することで「オバイライダー」として認定されます。その後、バイクの空いている後部座席を利用して報酬を得たいドライバーと、同アプリを利用して目的地に移動したい利用者とをオバイ社のモバイルアプリケーションによって引き合わせることができます(図1)。

    図1: Obhai Moto

  2. レンタルバイクサービス(Obhai MOTO):ドライバー付きのバイクをレンタルすることのできるサービス。レンタサイクルサービスのライダーは、オバイ社によって雇用されており、採用前に免許証の確認と十分なトレーニングが実施されます。 バイクは同社によって借用され、毎月一定額の給与の支払いと成果報酬による支払いの2通りで支払われています。
  3. 自動車ライドシェアサービス(Obhai G):自動車のライドシェアサービスは、バイクのライドシェアサービスと同様で、同社のドライバー専用アプリをダウンロードした自動車ドライバーは、必要な情報を登録することで「オバイライダー」として認定されます。 その後、自動車の空いている座席を利用して報酬を得たいドライバーと、同アプリを利用して目的地に移動したい利用者とをオバイ社のモバイルアプリケーションによって引き合わせることができます(図2)。

    図2: Obhai G

  4. CNG(オートリキシャ)レンタルサービス(CNG):同社は、通勤サービスを提供するために、自社CNG(オートリキシャ)を多数登録しており、同社モバイルアプリをダウンロードした乗客は、サービスエリアで、オバイ社のCNGを予約することができます(図3)。同社は、モバイルアプリケーションを通じてCNGの予約サービスを提供しているバングラデシュで唯一の企業です。

    図3: CNG

  1. オバイ都市間長距離移動サービス:都市を超えた通勤のためのレンタカーサービスで、現在は5都市ダッカ県、チョットグラム県、ボリシャル県、ボグラ県、シレット県)で利用することができます。

  2. 小包配達サービス:ダッカ市内での小包配送サービスで、顧客がオバイアプリから小包配送サービスを予約すると、指定の場所まで短時間で配送することができます(図4) 。

図 4: Obhai小包配達サービス

オバイ社のビジネスモデル

オバイ社は、国内の競合他社(UBER、PATHAO等)が多い中、ユニークな事業展開をしています。同社は、他社にはない、①CNG(オートリキシャ)専用の特別な乗車予約サービスと、②「オボン(Obon「日本語で「おーい、お姉さん」の意」)」と呼ばれる女性顧客向けのサービスを提供しています。また、③バイクを所有していないドライバー志望者に対するバイク提供も、オバイ社独自のポリシーです。
    利用方法は、まず、利用者はモバイルアプリストアからオバイ社のアプリケーションをダウンロードし、インストール後、利用者の必要情報を登録し、携帯電話のGPS機能によって所在地を明確にする必要があります。登録が完了すると、アプリを介して乗車予約を行い、サービスを利用することができます。利用者が目的地を入力すると、ドライバーは利用者のGPS機能から出発地(所在地)の位置情報を自動的に追跡することができます。アプリ上には、各サービスの推定利用運賃と利用可能なオバイライダーを表示します(図6)。

図6:オバイのモバイルアプリの表示画面

利用者が乗車カテゴリーを選択すると、出発地から半径3km以内のすべてのオバイライダーにリクエストが送信され、オバイライダーがリクエストを承認すると利用者とのマッチングが完了し、出発地から利用者をピックアップして目的地に向かいます。また、オバイカスタマーケアサービスの電話番号を介して乗車予約をすることもでき、カスタマーケア担当者がオバイライダーとの連絡を代行することも可能です。

同社は、出発地や目的地の追跡、移動距離の計算等に、Googleマップを使用しています。通常の利用運賃の計算は、下記の表1に基づき計算されており、総運賃の25%を手数料として受け取っています。また、需要と時間帯に応じてライダーへの追加インセンティブや、利用者への割引得点を提供しています。

表1:各サービスの推定利用運賃一覧

Service Base Fare(BDT) Per min tariff (BDT) Per km tariff (BDT)
OBHAI G 40 3 18
CNG 1.5 16
MOTO 30 0.25 12

オバイ社には、モバイルアプリとカスタマーケアの両方にフィードバックオプションを設けており、顧客は、移動完了後、すぐにモバイルアプリを介してオバイライダーを評価することができます。また、カスタマーケアに直接電話で苦情を申し立てることができ、オバイライダーには、基本的なトレー二ング(交通安全、アプリの使用方法、Googleマップの使用方法)などを実施しています。

日本企業へのメッセージ

  1. 日本の革新的な技術を用いて、同様のモバイルアプリケーションを使ったビジネスをバングラデシュで始めることができます。
  2. オバイ社は、地図の利用費用に多額な外注費をかけています。そのため、日本のIT企業は、バングラデシュで独自の地図を作成し、オバイ社とのパートナーシップビジネスを始めることができます。
  3. 日系企業の知識や経験に基づき、オバイ社がより効率的な方法でシステム管理・運営をするために支援することができます。
  4. 日系企業と地元のライドシェアリング企業の間で相互の知識を共有することができます

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