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HOMESDG長年抱える課題「水」

SDG2020.06.30

目標15:陸の豊かさも守ろう

【バングラデシュにおける持続可能な開発目標(SDG)】

地域:

分野:

人間の生活は、地球に大きく依存しており、土壌と海は人間の居住にとって等しく重要な存在です。地球全体の約30%が森林などの大地で覆われており、人間の食糧の80%が直接的・間接的に植物に由来しています(IDRC、2017年)。現在進められている大規模な森林伐採は、土地の生命を脅かしています。大地に生息する多様な生命を保護するには、陸上生態系の保護、回復、促進に向けた取り組みが必要であり、持続可能な開発目標のSDG15は、「陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および回復、ならびに生物多様性損失の阻止」を目指しています。

SDG15に向けたグリーンセーバーズ(Green Savers)社の取り組み

バングラデシュの首都ダッカ県は、インフラ整備が進み、樹木を植えるための場所もないくらいに高層ビルが立ち並び、コンクリート・ジャングルと化しています。 このような環境の中、グリーンセーバーズ(Green Savers)社は、樹木愛好家の小さな仲間と共に屋上庭園を勧める活動を始めました。 これまで同社が連携してきた人々は、5,000世帯を超える住民、学校200校、そしてボランティアや連携組織が数えきれないほどです。

同社は、創設者のAhsan Rony氏の掲げる「ダッカ県緑化始動」のビジョンをもとに、2013年に設立されました。創業以来、同社は都市を緑化するための革新的なアイデアを生み出してきました。

酸素バンク

酸素バンクは、学校に小さな銀行を設置するプロジェクトです。このアイデアは、学校に通う生徒たちのリーダーシップ・オーナーシップを育むことを目的として生まれました。 生徒たちは、「酸素バンク」としての役割を担う学校で、少額の募金を行い、自然から無料で手に入る酸素のための代金を募金箱に支払います。 酸素バンクに集められた募金は、酸素バンクの管理や、月末に植樹を行うために結成された学生団体「グリーン・クラブ」の活動に利用されます。酸素バンク委員会は、学生と共に植物の世話も行い、現在まで、ダッカ県内32校の学校に酸素バンクが設置され、各バンクでは毎月平均3,000タカ(約3,900円)の募金が集められています。


植物ドクター

バングラデシュ初の革新的な取り組みの一つに、植物ドクターがあります。植物ドクターは、都市の園芸家が園芸相談をワンストップで受けられるよう、植物ドクターが家庭訪問し、人々を治療するのと同様の役割を担います。 植物ドクターは白衣を着て、予備薬と処理装置を詰めた医療バッグを持って、自転車で家庭菜園などを行なっている園芸家の自宅を訪問します。


移動式樹木病院

移動式樹木病院は、造園と屋上庭園の設置、装飾などを手掛ける都市園芸チームで、病気の植物を治療するためにダッカ市内を移動しています。同プロジェクトは、北ダッカ市役所とスクエア製薬会社(Square Pharmaceuticals)の後援で実施されています。移動式病院内では、午前10時〜午後5時まで2名の植物ドクターが勤務しており、訪問者に治療、薬、苗木、栄養素の提供など、植物の無料コンサルティングサービスを提供しています。幼児向けの楽しいクイズも用意されており、より環境に優しい未来のための教育を提供しています。




植樹ツリーリオネア(Treelionaire)プログラム

同プログラムは、1年間に消費される酸素を補給するための市民主導型植樹活動です。グリーンセーバーズ社は、世界経済フォーラムグローバルシェイプ(World Economic Forum's Global Shapers)のダッカハブと共に、7年生〜9年生までの生徒と協力しながら、1人あたり8本の木を植えています。 生徒は、そのコミュニティで演習を繰り返し、写真を撮り、ソーシャルメディアを通して植えられた木の総数を報告しています。

セーラー・グリーンセーバーズプロジェクト

セーラーグリーンセーバーズプロジェクトは、「酸素バンク」や「植樹ツリーリオネア」プログラムの拡張・拡大プロジェクトです。同プロジェクトは、Sailor by Epyllionとグリーンセーバーズ社のコラボレーションにより、3R(リデュース、リユース、リサイクル)のコンセプトを学生に浸透させることを目指しています。生徒が学校の庭に絵を描いたり、植樹したり、装飾したりして、 古いプラスチック製のドラム缶を素敵な植木鉢へと変身させます。廃ドラムを再利用して苗木を塗装・植樹することにより、植林と自然保護に対する生徒の意欲を高めます。

植樹のための植木鉢作り

「植栽→塗装→リサイクル」を考え、ドラム缶を飾る熱意と創造性を発揮し、生徒たちは将来のグリーンダッカの夢をその廃ドラム缶に描きます。その後、氏名、クラス、学籍番号などをそのドラム缶に書き込み、自らの手で植樹し、その植えた木を各自が所有できるようにしています。

グリーンセーバーズの事業内容

同社は、あらゆる種類のニーズに応えられるように設計された幅広いサービスを提供しています。現在、同社が提供しているサービスは、下記の通りです。

  1. 屋上庭園
  2. 屋内ガーデニング
  3. 造園
  4. 垂直ガーデニング
  5. 水耕栽培
  1. アクアポニックス(水耕栽培と養殖を掛け合わせた、次世代の循環型農業)
  2. ロックガーデン(岩石を用いた造園)/トピアリー(常緑樹や低木を刈り込んで様々な形を作成する造園)
ビジネスモデルとSDGsへのアプローチ

グリーンセーバーズ社は、ガーデニングに情熱を持っており、ダッカ県内で十分な知識、技術、資源がないためにガーデニングができない人々のためのワンストップガーデニングソリューションです。 同社は、最小限のコストでビジネスの課題に対応するために取り組んでおり、屋上庭園、水耕栽培、アクアポニックス、造園の4つのサービスを提供し、その利益は同社の他の慈善プロジェクトに活用されています。 また、移動式病院と植物ドクターを通じて、ガーデニングに関連するコンサルティングサービスを一定の料金で提供しています。 グリーンセーバーズ社のサービスの利用者は、ウェブサイトやコールセンター番号から会社に直接連絡することができ、その他にも、Androidアプリケーションからアクセスすることができます。 アプリの正式名称は「Plant’s Doctor」で、ガーデニングを行う際に必要とされる全ての機能を備えています。 同社には、独自の苗床と6つの契約苗床栽培者がおり、同社の指示に従って完全に有機的な方法で苗床を栽培しています。品質と信頼性を確保するために、これら7つの製造元から栽培された苗床のみが、顧客に届けられる仕組みになっています。 同社のサービスを予約すると、顧客の要件を元に見積もりを提供します。

見積もりを顧客が承諾した場合、正式に発注され、顧客が事前に提示したスケジュールに合わせてサービスを提供し、顧客が満足のいくサービスを提供できたところで支払いを受け取る仕組みになっています。

日本企業へのメッセージ

グリーンセーバーズ社は、常にその分野の先駆者になろうとしてきました。その地位を築くためには、継続的な研究と知識を充実させる必要があり、同社は現在、バングラデシュで初めて水耕栽培とアクアポニックスを実践しています。同社は、下記の4点に関して日本からの協力を期待しています。

  • グリーンセーバーズ社は、常に新規事業を探求することに熱心に取り組んでいます。日本からの水耕栽培・造園・緑化に関する技術協力や提携を期待しています。
  • バングラデシュ政府は、プランテーションと植林に重点を置いています。
  • 日本の造園・緑化・植林技術はバングラデシュにおいても期待されています。当社との提携により、バングラデシュの造園・緑化市場に参入することが可能です。

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