【協力実施前】キルンバ魚市場全景:ムワンザ市はビクトリア湖沿岸地域の水上交通の起点となっているが、中でもプロジェクトサイトの位置するキルンバ地区は乾燥魚(ダガー、ナイルパーチ)、農産物(バナナ、芋類)、建設資材(材木、竹、石)等の集積、出荷基地となっている。中でもビクトリア湖で漁獲されダガー(淡水イワシ)の乾燥品は、安価なタンパク源として周辺国に輸出されている。
【協力実施前】市場中央部(ビクトリア湖岸付近)の様子
【協力実施前】ダガーの運搬・陸揚状況:ビクトリア湖沿岸の各漁村で一次乾燥されたダガーは、運搬船(帆船)により集荷され、最終的にはサイト前で陸揚される。人力で行われる陸揚作業は過酷であり、湖に棲息する住血吸虫により、健康を害する場合もある。
【協力実施前】市場作業者用の食堂:市場内では、ダガー乾燥関係者や荷役作業労務者など、大勢の作業員が働いている。市場内には、市場関係者のために、簡単な食事が出来るような粗末な食堂が備わっているが、屋根がないため、降雨時に水浸しの状況になる。
【建設中】市場鉄骨建て方の状況:日本の鉄骨加工場で、精度の高い鉄骨部材の加工が行われたことから、現地の労務者を有効に活用しつつ、予定内の工期により鉄骨の建て方が完了することが出来た。
【完工後】湖側からの市場の全景:市場の敷地全体にビクトリア湖沿岸で生産、あるいは調達された物資が集積されている状況が確認できる。湖畔にはダガーの荷卸作業が終わった運搬船が停泊している。
【完工後】道路側からの市場の全景:市場施設の整備と合わせて、前面の車道や歩道も整備された。道路の背後には商店街が立地し、市場の建設効果により周辺の商業活動も活性化している。
【完工後】市場の湖畔側の様子:市場前面にコンクリート仕上の乾燥場所が確保されたことから、露天下において効率的なダガーの乾燥・袋詰等の作業が可能となった。コンクリートは水はけが良く、地温が上昇しやすくダガーの乾燥も短時間で済む。
【完工後】浮桟橋の状況:浮桟橋の設置により、運搬船からの荷揚作業が容易かつ安全に行えるようになった。また、渡橋が設置されたことから、浮桟橋の上で物資を直接荷車に載せることが可能になり、市場内に直接運搬することが出来るようになり、運搬作業も従前からみると楽になった。
【完工後】食堂の状況:市場内の敷地の一部に、新しい食堂を整備することにより、雨の心配もなくゆっくりと食事や休憩をすることが出来るようになった。また、湖畔に位置し、眺めも比較的良いことから、周辺の市場関係者以外も食堂を利用する機会が増えた。