大切な資源であるサンゴ礁。その資源を持続的に利用するためには、サンゴ礁の健全さをモニタリングする必要があります。そのため、地方の環境保全担当者を対象にして生態学的モニタリングの訓練を行っています。
2010年2月、当プロジェクトをミクロネシアチャレンジ参加諸国・地方紹介し、サンゴ礁モニタリングの在り方について議論するために、ワークショップを開催しました。パラオ、グアム、サイパン、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島からモニタリング関係者が参加し、パラオ大統領とともに記念撮影をしました。
モニタリングの対象となる州から担当者を招き、生態学的モニタリングの講義を行いました。日本のODAで建設したサンゴ礁センターの実験室を教室に使い、プロジェクトのカウンターパートが講師を務めます。
サンゴ礁の生態学的モニタリングは主に水中で行いますが、まずは、陸上で概要を説明します。私たちヒトは、水中では会話したり、質問や説明が容易ではないものですから。
いよいよスキューバを使っての生態学的モニタリングの訓練です。サンゴ礁の海底に四角い枠を置き、サンゴの生息状況などを記録します。
サンゴ礁のモニタリングは水中でだけ行うわけではありません。社会経済モニタリングとして、村の人たちにサンゴ礁や海洋保護区についてインタビューを行っています。
パラオでも陸域の開発が進行し、土砂がサンゴ礁に流れ込むことも珍しくありません。堆積物をトラップするパイプを海底に設置し定期的に回収し乾燥重量を測定します。
ペリリュー島北部の海洋保護区で、測定場所を下見するカウンターパートと専門家。
2010年の夏、海水温が例年より高く、ミドリイシやハナヤサイサンゴなどの多くが白化しました。1998年の世界的な大規模白化に次ぐ規模となりました。
サンゴ礁の海底に生息する無脊椎動物のうち、シャコガイ、ナマコ、ウニなどの食料として重要な種類をモニターします。50メートルの巻き尺を海底に引き、それに沿って幅2メートルにいる個体のサイズと個数を記録します。