養殖による農村開発促進プロジェクト

Project for Rural Development through Aquaculture

終了案件

国名
ブルキナファソ
事業
技術協力
課題
水産
協力期間
2009年9月~2012年9月

プロジェクト紹介

人間開発指数が世界177ヵ国中176位という最貧国のブルキナファソ(2007年)。国民の約半数が貧困ライン以下の生活水準で、特に人口の80パーセントが生活する農村部では、低い成人識字率、高い乳幼児死亡率など、その深刻度が高くなっていました。2003年以降、同国政府は「水産資源の管理・開発に関する国家戦略と優先計画」に基づき、内水面養殖の振興を図ってきましたが、いまだ十分な成果を上げていませんでした。この協力では、農村地域の貧困削減と食糧安全保障を目指して、農牧主体の農家経営に養殖活動を導入するための支援を行いました。

協力地域地図

養殖による農村開発促進プロジェクトの協力地域の地図

事業評価

協力現場の写真

  • 氾濫原粗放養殖研修(普及員・村人を対象):プロジェクトでは、対象地域の水産技官に対して、氾濫原粗放養殖を理解してもらう目的で研修開催場所近隣にある天然沼を訪問し、予備サイト評価研修を実施しました。その後、各担当者が実施したサイト評価に基づいて現場を視察しプロジェクト共に氾濫原粗放養殖に適しているかどうか確認を行いました。また、本手法を導入するに当たって、農業普及員や村人に対して氾濫原粗放養殖の目的、方法なども紹介しました。 

  • 池造成のための杭打ち作業:氾濫原粗放養殖は天然の地形を利用(最適な場所は氾濫原の窪地)して行う養殖です。そのため、池を造成する際は周辺の地形を良く見て、どこに池を造成するか判断します。 

  • 池造成作業1):Fignanaの池造成風景です。村人約100名が集まっての共同池造成作業を行いました。男性がつるはしで掘り起こした土を、女性はバケツに入れ頭に乗せて(ブルキナファソの人々は重いものをよく頭の上に乗せて運びます)運び出します。 

  • 氾濫原粗放養殖池:Kassanga村の氾濫原粗放養殖池は、深さが約1メートル近くあります。池を深く掘ると、水を長く留まらすことができるため、魚の成長期間が長くなるメリットがあります。 

  • 収獲の様子:雨季が終わり水が引いてくると、川から氾濫原へ流出した水と魚が氾濫原粗放養殖池に集約されます。この養殖池が水源から孤立した後、植物プランクトン(テラピアの餌になります)を発生させる目的で自家製有機肥料を池に投入します。ブルキナファソに一般的に生息しているテラピアやナマズが収獲されます。 

  • 種苗(稚魚)の輸送:ハパネット(簡易的な生簀)を設置することにより、販売前の魚や種苗(稚魚)を分けて収容することができます。種苗輸送用の袋に収容された魚を池に放流する前にハパネットに入れ、輸送後数日間、魚の状態などを観察します。 

  • 収獲されたテラピア:毎日決められた時間と場所から給餌を行うことにより、魚も人に慣れ、給餌が効率よく行えるようになります。ブルキナファソの鮮魚で最も一般的に流通している魚はテラピア(Oreochromis niloticus)です。本プロジェクトでは、5ヵ月間飼育し、平均体重250グラムのテラピアを収獲しました。 

  • 自家製配合飼料の製造:ブルキナファソでは魚用の配合飼料の値段は高く、農村部での購入は困難です。そこで、本プロジェクトでは短期専門家の方を招聘し、農業副産物などで簡単に作成できる自家製配合飼料導入の可能性を検証しています。 

  • 自家製配合飼料製造研修:水産技官、農業普及員および民間の養殖業者の方々を招いて、本プロジェクトで開発した自家製配合飼料製造に係る研修を開催しました。 

  • 人造湖に設置された浮き網生簀:ブルキナファソでは人造湖(水資源確保のため全国に1400ヵ所程度存在)の有効活用および水産資源の増産を目的として、浮き網生簀養殖が試みられています。本プロジェクトでは、ブルキナファソにて使用されていた往来の浮き網生簀を改良し、フレームの強化および網を追加して高さを確保し実証試験を行う予定です。 

関連情報

関連・連携プロジェクト

関連・連携プロジェクトはありません。

本プロジェクトの他の期・フェーズ

本プロジェクトの他の期・フェーズはありません。