公共事業局(以下、PWD)が設計したDhaka Medical Collegeの施工現場を視察し、施工状況の確認や、配筋等のディテールの実情について議論した。できるだけ現場で実情を確認しながら、確かな技術の定着を図っていくように心がけている。
耐震に関する基礎的知識の技術移転を目的として、継続的に講義を実施している。特には参加者を指定せず、カウンターパートをはじめ興味のあるPWD職員の参加も促し、1人でも多くの技術者に日本の技術・知見を伝えられるようにしている。
小谷俊介東京大学名誉教授による特別講演の様子。小谷名誉教授のご厚意により、PWDとBangladesh Earthquake Societyの共催による特別講演が急きょセッティングされた。小谷名誉教授は、耐震技術の現状を分かりやすい説明し、集まった聴衆と多岐にわたるディスカッションが繰り広げられた。
建物調査に用いる鉄筋探査機、コアサンプリング・マシーン、シュミットハンマーの使い方について、現地指導を行った。コンクリート強度等の基礎的データの収集は、バングラデシュに適する設計手法の開発には欠かせないものであり、地に足のついた技術移転を図っている。
鉄筋探査機の使用状況。
50名の技術者が集まった試験施工の現場公開の様子。セミナー室で耐震補強工法の説明と討議を行った後、現場でカウンターパートが工法の説明を行った。初めて間近にする補強工法に、参加者たちは思いおもいの質問をカウンターパートや日本人専門家チームに投げかけ、忌憚のない意見交換やディスカッションが行われた。
現場での工法説明の様子。フェース・トゥ・フェースでの双方向のディスカッションを通じ、耐震改修の理解の拡がりと深化を図っている。
テクニカル・ディスカッションの様子。10名のバングラデシュの学識経験者と構造技術専門家に参集いただき、日本人専門家チームが話題提供した技術的課題について討論を行った。本プロジェクトでは、日本とバングラデシュの技術・知見を共に集めて解決策を模索していく、といったプロセスを大切にしている。
2012年3月8日に開催した第2回ワークショップの様子。日本大使、食糧災害管理省大臣、住宅公共事業省大臣、バングラデシュの学識経験者や技術者等150名が参加した。耐震改修の知識の普及と耐震化の啓発を図った。
2012年3月14に開催したカウンターパートミーティングの様子。現地作業の終盤には、そのときの作業進捗及び次回の調査団の渡航までにカウンターパート側で進めておくべき作業内容を協議・確認している。一回一回の現地作業を振り返り、次のステップへの改善につなげるサイクルを繰り返すことで、着実な前進を図っている。