プロジェクトでは住民に近い公立病院で緊急産科ケアのサービスが提供できるよう病院スタッフへの研修、サービスの改善、手術室や分娩室の改修や必要最低限の機材を供与しています。
妊産婦の死亡の原因となる「3つの遅れ」を解消するため妊婦の家族を訪れ、危険な兆候や出産準備についての指導を行っています。(「3つの遅れ」とは、1)問題がおきたときに病院や診療所に搬送するための決断の遅れ、2)決断してから病院や診療所までたどり着くまでの遅れ、3)たどり着いた病院や診療所で治療を受けるまでの遅れ)
ユニオン評議会のチェアマンからコミュニティグループに緊急搬送用リキシャが供与されました。コミュニティサポートシステム(CmSS)のグループは、地方自治の代表者やコミュニティのリーダーなどから、さまざまな支援を受けています。
バングラデシュでは5月28日を母性保護記念日と定め、施設分娩の推奨と妊娠出産に伴う母子の死亡を防ぐためのキャンペーンを行います。プロジェクトでは毎年写真4のようなラリーや、絵画や作文のコンテスト、ドラマやフォークソング、産前・産後健診受診キャンペーンを支援しています。
プロジェクトでは、地方での活動だけでなく、中央政府への働きかけや様々な活動も積極的に行っています。写真は、保健家族福祉省での会議の様子。
コミュニティサポートシステム(CmSS)は、妊産婦が地域や家族から必要なサービスを受けられるよう、なかでも緊急時に適切なケアが受けられる環境を地域の住民が主体となって確立しようというシステムです。コミュニティと保健医療施設の連携強化を図ることで安全な分娩が確実に行われるよう定例集会を開き、地域の妊産婦の情報を確認し、貧困者のために資金を集め、出産準備や産前・産後健診の支援を行っています。
シャトキラ県にある7つの郡ごとに半日のワークショップを開き、ベースライン調査結果や病院管理情報システムで得た情報などから郡ごとの現状分析を報告し、それを踏まえた議論を行い病院レベルとコミュニティレベルのそれぞれの活動計画を策定しました。ワークショップでは、郡レベルにおける母子保健の現状に対する啓発と問題意識を植え付けるといった目的も兼ねています。
政府の保健スタッフ(家族福祉訪問員、家族福祉アシスタントなど)への産前・産後健診の研修を母体のダミーを使って指導しています。
プロジェクトフェーズ1が導入したコミュニティサポートシステム(CmSS)のグループ活動はコミュニティクリニックのコミュニティグループを支える仕組みとして取り入れられ全国展開が始まっています。プロジェクトではフェーズ1の経験を活かしコミュニティグループへの研修を支援しています。
ノルシンディ県でも試みたユニオン評議会メンバーのためのユニオン開発調整委員会会議(UDCCM)を題材とした2日間の研修を、シャトキラ県全77ユニオンを対象に実施しました。