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プロジェクト対象地であるナミビア北部地域には、雨季に隣国のアンゴラで降った雨が洪水となって押し寄せてきます。この地域は年間降水量400ミリ程度の乾燥地ですが、雨季になると、写真のように水浸しの風景が現れます。
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降水量や洪水の規模は年によって大きく異なり、時には写真のように畑が水没し、作物が枯れてしまいます。干ばつや大規模な洪水などの気象災害が発生しても安定的に作物が収穫できる農法を考えることが、このプロジェクトの目標です。
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プロジェクトでは、イネとトウジンビエ、ソルガムなどのイネ科作物を組み合わせて混植することで、気象災害が発生しても安定して作物が収穫できる農法がつくれると考えています。作物学班では、農家の実験圃場を何ヵ所か設置し、混作実験を実施しています。
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この地域ではイネを育てる習慣がなく、稲作の道具なども全く発達していません。プロジェクトでは、小型のパワーティラーなどを導入し、使用方法やメンテナンスの講習を実施しています。機械を渡すだけでなく、自分たちで管理していく方法を一緒に考えることが重要です。
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2012年6月下旬に開催したフィールド・デイの様子です。前年の雨季のプロジェクトの状況などを周辺農家の方々に報告し、同時にプロジェクトで考えている混作方法を説明しています。
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開発学班では、村でワークショップを開催し、農家の人々の農業や作物に対する認識を把握し、またプロジェクトが提案している新しい技術に対する考えを話し合っています。現地の人々の考えとプロジェクトのアイデアを結び付け、新たな技術確立を目指しています。
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水文学班では本地域に気象観測機器を設置し、水収支を分析しています。そして、水環境を保全した状態で導入が可能な農業体系を確立することを目指しています。
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ナミビア大学校内の実験稲作圃場での田植えの様子。
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ナミビア大学校内の実験稲作圃場の収穫の様子。田植えなど稲の栽培に関わってきた人々が豊作を喜んでいます。
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2012年9月4日に開催された合同調整委員会(Joint Coordination Committee)会議の様子です。半年に一度この会議を開催し、ナミビア側と日本側の関係者が集まり、プロジェクトの進捗状況や課題などを話し合います。