リスクの下での教育支援 -誰が子どもの学びを守るのか(その3)-
先月実施した教育フォーラムとCGS委員向け研修に続き、今月は放課後学習活動の支援を行う地域ボランティア(ファシリテータ)向け研修を行いました。
まずは前回同様、プロジェクトチームにより、ファシリテータ研修を担う3CAPの指導主事18名に対し講師研修をバマコで行いました(1/26-28)。算数ドリルを用いた放課後学習活動の進め方、子どもの励まし方(マリでは、子どもが答えを間違えると先生に怒られてしまい学習意欲を失うことが多いので、放課後学習では叱らずに「励ます」ことの大切さに重点を置いています)、採点の仕方、出席・進捗管理シートの記入方法などについて説明・演習を行いました。
ファシリテータの役割は非常に重要ですが、プロジェクトやCAPの指導主事によるモニタリングだけでは、日々の実践の中で生じるふとした疑問や困難を日常的に解消するには及びません。また、事情により学年度の途中で新たなボランティアにファシリテータの役割を譲らざるを得ないケースもあります。そこで、最前線で補習活動を支えるファシリテータが、いつでも研修で学んだことを映像で、繰り返し確認し、振り返ることが出来るよう、解説ビデオを作成しました。3つのテーマ(1)子ども自身による演習の重要性、2)算数ドリルを用いた放課後学習活動の実施方法、3)算数ドリルの内容紹介と使用方法)で構成されるこれらの解説ビデオはYoutube上で限定公開しており、リンクを現場のファシリテータと共有することで、スマートフォンなどで閲覧して研修内容を復習できるようになっています。マリの地方でのモバイルデータ通信の普及はまだまだ途上といったところですが、ファシリテータを務める若い人たちや教員の中にはユーザーも日増しに増えてきています。今後の更なる普及を見据え、試験的にYouTubeを活用した映像教材の配信を試みています。
CGS委員向け研修、ファシリテータ向け研修という2つの大きな活動を無事に終え、算数ドリルの印刷と各CAPへの配布も終わり、いよいよ放課後学習活動の開始準備が整いました。ファナ地域からは、学校現場でさっそく活動が開始されたという知らせも届いており、プロジェクトは3月上旬より、放課後学習活動開始状況の確認や、各CAPによるモニタリング実施支援を行います。来月のプロジェクトニュースでは、放課後学習活動に取り組む子どもたちの様子をお伝えします。
ファシリテータ研修講師向け研修(開会式)
ファシリテータ研修講師向け研修(算数ドリルの説明)
ファシリテータ研修講師向け研修(グループワークの様子)
ファシリテータ用解説ビデオ作成の様子
ジョイラ地域のファシリテータ研修(採点方法や解法のポイント協議の様子)
ジョイラ地域のファシリテータ研修(集合写真)
ファナ地域のファシリテータ研修(出席・進捗管理シート記入方法の説明)
ファナ地域のCGS委員研修(出席・進捗管理シート記入演習の様子)
補習活動の開始(ファナ地域)
補習活動の開始(ファナ地域)