行政の拠点となっているマナグアは、インフラ整備が行われており、隣国のコスタリカ、ホンジュラスを結ぶパン・アメリカンハイウェイや旧首都であり、観光地として名高いグラナダやマサヤ火山を結ぶマサヤ道路の道路整備状況は良好である。
ニカラグアは、観光資源が豊富であり、太平洋側やカリブ海側への集客が徐々に増えてきている。海外からの観光客は、グラナダを中心に各地へ訪問している。とくに太平洋側の観光地へはアクセスの容易から観光客が多い。
第1回ステアリングコミッティ会議では、国家運輸計画の長期戦略に係る説明を行い、長期開発ビジョンの策定のためには、カウンターパートである運輸インフラ省(以下、MTI)だけでなく、ニカラグアの各関係機関との協力が重要であることを認識した。
マナグア市外の地方道路では、砂利道や土道などで整備されており、走行性がとくに悪い状況であり、緊急車両、精密機械などの輸送においてダメージが大きい。雨季になるとさらに状況が悪化している。
隣国のコスタリカとニカラグアの国境施設入口では、毎日通関待ちのトレーラーによる渋滞が発生しており、一般車両はそれを避けるために、反対車線を通行せざる終えない状況から交通事故の発生の恐れがある。
カウンターパートをはじめ、運輸セクター関係機関、ドナー、民間企業などを対象に、国家運輸計画プロジェクトに対する意見聴取を目的として、第1回ステークホルダー会議が開催された。参加者はおよそ80名であり、活発な意見や質問が出された。
第1回ステークホルダー会議では、国家運輸計画の長期開発ビジョンについて、国家人間開発計画(2012-2016)が示す開発ビジョンを基に、プロジェクトチームが設定した長期開発ビジョンが発表された。
第2回ステアリングコミッティ会議では、「戦略的環境アセスメントへの重視」「国境施設のインフラ整備」「交通マスタープランにおける交通安全政策」「人材育成の重視」「大西洋側の農牧水産業の発展」「観光振興の重要性」「エネルギー開発」についても参加者と活発に議論された。
第1回ワークショップでは、国家人間開発計画に係る長期開発ビジョンの分析方法および国家運輸計画のための長期開発ビジョンの設定方法について技術移転が行われた。
本プロジェクトでは、ニカラグア全国において運輸交通調査を実施しており、路側ODインタビュー調査、交通量調査、旅客・物流ターミナルOD調査、旅客・物流インタビュー調査を約4ヵ月間で行っていく。