水管理移管強化プロジェクト

Project for Strengthening Water Management Transfer

終了案件

国名
エジプト
事業
技術協力
課題
農業開発/農村開発
協力期間
2012年11月~2016年3月

プロジェクト紹介

エジプトでは、人口の急増による水消費の増大や農地開発で、水資源の需給が逼迫しています。水資源消費の8割以上を占める農業セクターでは、農業用水の管理を政府から水利組合(WUO)に移管することで水資源利用の効率化を図る計画を進めています。日本はこれまで、先行プロジェクトでWUOの設立や関係機関の能力強化を支援しました。これらの成果を踏まえて、この協力では、2次水路(支線水路)レベルのWUOへの水管理移管を行うための実施体制の整備を支援しました。その結果、支線水路水利組合(BCWUA)に支線水路水管理が移管され、水資源利用の効率化に貢献しました。

協力地域地図

水管理移管強化プロジェクトの協力地域の地図

事業評価

協力現場の写真

  • 本プロジェクトは水資源灌漑省の多数の部局がカウンターパートとなっていることから、情報および意思決定の過程を全ての部局が共有することが非常に重要である。プロジェクト実行委員会には各関係部局の担当者が出席し、緊密な連携を保ちながらプロジェクトを進めている。 

  • 現地調査の際に支線水路の水利組合(Branch Canal Water Users Association、BCWUA)の役員から現状についての説明を受けている様子。水利組合の活動状況などについて説明を受けた。 

  • 現地調査において、JICA専門家、カウンターパートの水資源灌漑省技術者、水利組合員が図面と照らし合わせて現地の状況を確認している様子。現場を見ながら直接意見を交わすことがお互いの理解を促進し、技術移転にも繋がる。 

  • ナイル川中流のミニア地方における支線水路の取水口。取水口右側に量水盤が取り付けられており、バハリと呼ばれる管理人が水位を見ながらゲートの操作を行い、取水量を調節している。 

  • 市街地区間では水路へのゴミの投棄や生活排水の流入などにより、用水路の水質の悪化、通水の阻害などの問題が生じている。水質の悪化は、農業生産だけでなく水路沿線住民の健康にも影響する重要な問題であることから、市民も巻き込んだ取り組みが必要となっている。 

  • ナイル川下流のデルタ地帯では、支線水路よりも農地のほうが高い位置にあることから、支線水路からメスカ(3次水路)へは可搬式のポンプなどにより水を汲み上げている。近年ポンプの燃料である軽油が値上がりし、農家の経営を圧迫している。 

  • 世界銀行などのプロジェクトによりコンクリート水路に改修されたメスカ(3次水路)。このような施設の改修と併せて施設を維持管理していく水利組合の育成を進めているが、このプロジェクトでは持続的に活動することができる水利組合を育成するために必要な方法論を明確にして、他のドナーが実施するプロジェクトにも貢献したい。 

  • 2013年3月3日に行われたキックオフミーティングの様子。水資源灌漑省のバヘ・エルディーン大臣から、「水管理移管は水資源灌漑省にとって長年の大きな課題であり、このプロジェクトの成功を願っている。」との激励の言葉を頂いた。 

  • 本事業で調達された掘削機はビシンタウェイにおいてBCWUA組合長による監視の下、水路の定期清掃に活用されている 

  • ファイユーム地域のエビートBCWUAによる、水資源灌漑省との共同での補修作業 

関連情報

関連・連携プロジェクト

関連・連携プロジェクトはありません。

本プロジェクトの他の期・フェーズ

本プロジェクトの他の期・フェーズはありません。

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