プロジェクトが正式にスタートしました
2017年8月、プロジェクトが正式にスタートしました。今後は本ウェブサイトを通じてプロジェクトの進捗状況を紹介していきます。今回は、プロジェクトの背景・目的と、2017年10月に行われたプロジェクト専門家の初渡航の内容をご紹介します。
プロジェクトの背景・目的
気候変動は、世界の環境問題の中で最も注目を集めるトピックの一つです。気候変動により、世界各地で深刻な異常気象やそれに伴う生態系への影響が生じています。
この気候変動に対応するために、国際連合の下で気候変動枠組条約という国際ルールが定められています。このルールの下で、パプアニューギニアを含む途上国は、2年に一度自国の気候変動に関する様々な情報をまとめた報告書を提出する義務があります。この報告書はBiennial Update Report、通称BURといいます。
BURを作る上で難しいのが、温室効果ガスインベントリの作成です。温室効果ガスインベントリとは、気候変動の原因となる温室効果ガスについて、その国でどのような排出源からどの程度の量が出ているかを取りまとめたものです。これを作成するには、温室効果ガスの排出に関する科学的な知識が必要となりますし、国内の様々な機関が協力して、排出量の算定に必要なデータを集めることも求められます。
本プロジェクトは、パプアニューギニアでBURの作成を担当する気候変動開発公社(Climate Change and Development Authority、通称CCDA)に対して人材育成を含む能力強化を行い、温室効果ガスインベントリを定期的に作成する体制を整備することを目的としています。
2017年10月の初渡航の内容
2017年10月4日〜18日にはプロジェクト専門家がパプアニューギニアに初渡航しました。2週間の滞在中、プロジェクト専門家はCCDAのメンバーと共に今後の作業計画について議論を行いました。また、12月にプロジェクトのキックオフのワークショップを開催することにも合意しました。
CCDAインベントリチームと専門家による作業計画の協議の様子