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第一回本邦研修 本邦研修から学ぶ農業普及の重要事項

2017年9月

キューバ国立穀物研究所 普及部部長 フリア・ペレス

私は、国立穀物研究所本部で農業普及を担当しており、8月16日から9月30日まで実施された本邦研修「キューバ農業普及能力強化研修」に参加するため、来日しました。今回の研修では、1948年に交付された農業改良助長法に始まる日本の農業普及システムについて、大変興味深く学びました。

最も関心を持ったのは、日本では、農業普及事業が国と都道府県の協同により実施されている点です。国は5年毎に事業運営指針を策定し、都道府県は国の運営方針を基に各都道府県の課題に合わせた事業実施方針を策定しています。普及指導員の研修については、質の高い指導員の育成に重点が置かれており、経験年数に応じた能力強化策、とりわけ3年未満の新人育成に力が入れられていました。普及指導員として認定するための普及指導員資格認定制度があることも普及員の専門性やモチベーションの向上において重要であると感じました。

また、日本の農業普及システムは、農業普及指導員および生活改良普及員によって支えられていることも特徴的であると思います。「考える農民の育成」を目指し、両者とも、農業・作物の質の安定、経済・生活環境の改善の達成という共通の目標を持っています。農業普及指導員は、農民ひとりひとりが問題認識を持って生産に取り組み、所得増大に繋げられる技術の提案や新しい技術の紹介を行う一方、生活改良普及員は、農業者、特に農家助成の生活環境の改善を目指した活動を実施しています。また、時代の変遷にあわせ、普及員は、アグリツーリズムや農産加工や6次産業化、食育活動など様々な生計向上策や地域活性化の提案も実施・推進しており、常に社会経済の状況を見極めて考え、提案する重要さも学びました。

日本の農業普及を取り巻く多様な関係者は、緊密な連携を築いており、普及指導員の活動現場にも研究内容が迅速に応用されています。また行政による普及制度のほかに、農業共同組合(JAグループ)による営農普及員制度もあり、農家にとって様々な農業サービスがあることも特徴的と思います。

このように、国家レベルから農村地域まで、研究機関、各地方の普及指導センター、大学、普及促進委員会、農業革新支援専門員、JAグループ営農指導員など多岐に亘る普及関係者が連携している点は、キューバにおいて普及システムを構築・強化するうえでも大変参考になりました。

私は、過去に参加したJICAの課題別研修、そして今回の本邦研修と、2回日本を訪問する機会を与えられ、様々な普及関係者との交流を通じて、普及のしくみや業務内容はもとより、普及員の姿勢について学ぶことができました。こうした学びをキューバへ持ち帰り、キューバ流の普及体制の構築と普及員の育成に向けて、取り組んでまいります。

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研修先の一つであった千葉県農業大学校にて。
出典:キューバ国基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト・チーム

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見学先のJA直売所にて。(向かって右が筆者)
出典:キューバ国基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト・チーム