第1回社会審議会が開催されました

プロジェクトでは、ロチャ川流域における水関係組織が集まって様々な水問題を解決していくためのロチャ川流域組織間プラットフォーム(以下、プラットフォーム)の運営支援に力を入れています。そのプラットフォームの中で、特に水に関連する社会的な課題を議論する場として社会審議会を設けることが計画されていましたが、2018年にプラットフォームが設立されて以降、技術面での活動を先行させていたことに加え、大統領選挙やコロナ禍等の影響もあり、社会審議会の立ち上げが遅れていました。これに対し、昨年後半から社会審議会のメンバー選定を県庁が主体となって行い、メンバーとの調整を経て、2021年5月に第1回社会審議会が開催されました。

審議会は、コロナ禍ということもあり、大都市圏(5月12日)及びバジェアルト地域(5月14日)の2会場での分散開催としました。各社会審議会メンバー組織に対し、詳細な資料を用いて事前に説明をし、参加促進のため継続的に連絡をした結果、延べ29組織、43名のメンバーが参加しました。会議では基本事項の説明(ロチャ川流域指針計画、プラットフォーム、社会審議会の役割と責務等)、参加者からの質問・意見表明、流域課題についての議論と優先事業の検討などが行われました。

過去にはこのような議論を公式に行う場がなく、社会組織側に事業検討に参画する機会が与えられていませんでした。しかし、今回審議会を開いたことで、そのような状態から脱却することができました。
参加者からの意見の中には過去の公共事業における行政側の対応に対する不満の声もありましたが、それに対して県庁側は、まずは社会組織側の意見を「積極的に聞く」姿勢を示していました。このように意見を傾聴する場を持つことが将来的な信頼関係の構築を目指していくための第一歩となります。

今後もプロジェクトでは、プラットフォームの理事会や技術審議会と合わせて定期的に社会審議会を開催し、ロチャ川流域の優先課題の解決に寄与する体制を整えるべく、引き続きプラットフォーム運営を支援していきます。

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バジェアルト地域での社会審議会の様子。日本人専門家もウェブで参加。

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大都市圏での社会審議会にて参加メンバーによるグループワークの様子。県庁カウンターパート及びプロジェクトの現地スタッフが各グループのファシリテーターを担当。