チーフアドバイザーからご挨拶

バングラデシュ国コミュニティ主体の健康づくりプロジェクト(SHASTOプロジェクト、以下「本プロジェクト」)のウェブサイトへようこそ。

非感染性疾患(Non-Communicable Diseases、以下「NCDs」)は、他国と同様にバングラデシュでも大きな懸念事項となっています。バングラデシュ政府は、NCDs予防対策のため、一次医療レベルにおける早期発見と疾病管理など様々な措置を講じてきました。
しかし、このNCDs予防対策を成功させるには、コミュニティレベルの全ての関係者を巻き込むだけでなく、コミュニティの人々がNCDsを正しく理解する必要があります。

私は、本プロジェクトにおいてNCDsサービスが既存の母性保護サービスに関連付けられながら、共に改善されることを目指ざして実施されていることを嬉しく思います。本プロジェクトの主要な政府のカウンターパートは、保健家族福祉省(MoHFW)です。また、プロジェクトの現場では、保健サービス総局の非感染性疾患対策課(NCDC)、地域に根ざしたヘルスケア課(CBHC)、ウポジラ(郡)(注1)・ヘルスケア局(UzHC)、サービス改善事務局(QIS)を通して活動が実施されています。

本プロジェクトは2017年7月に開始して以来、ナルシンディ県とコックスバザールの2県、6つのウポジラ(郡)で活動しています。これらサイトでのすべてのコミュニティ・クリニック、郡病院、および県病院が活動の対象に含まれます。また、コミュニティグループとコミュニティサポートグループ(注2)では、その能力強化をつうじて、健康に関する教育プログラムを実施し、コミュニティに対してNCDsの予防啓発に係る情報を発信しています。こうした取り組みをつうじて、既にコミュニティグループメンバーとコミュニティ・クリニックの間では良好な連携ネットワークが確立されています。

また、郡病院と県病院ではNCDsコーナーが設置され、NCDsに関するワンストップサービスを提供しています。ワンストップサービスとは、妊産婦を含めNCDsに罹患している可能性がある人に対し、高血圧・糖尿病の診断や疾病管理、及び高次病院への紹介を行い、症状が安定した患者には主に投薬管理のためのコミュニティ・クリニック紹介を一か所で行うサービスです。コミュニティ・クリニックではスクリーニングサービスを提供し、NCDsの疑いのある人々をNCDsコーナーに紹介しています。
本プロジェクトでは、対象病院において病院サービスの質改善のための病院管理強化も実施しており、NCDsサービスと高次病院への紹介システムも強化しています。さらに、NCDsの情報を管理するためのシステムが1つの郡で導入されており、今後、残りの5つの郡で導入される予定です。私はこの情報システムモデルがNCDsの制御・予防に大きく役立つことを願っています。

私は、本プロジェクトの成功のために、保健家族福祉省やコミュニティレベルの関係者が様々な方面に支援の輪を広げてくれていることに感謝しております。このウェブサイトが、皆様からの意見やコメントを共有できる場として、また情報ネットワークが構築される場として役立つことを願っています。

(注2)コミュニティ・クリニックを核としたヘルスシステム基盤ための住民組織。