プロジェクトニュース5:IEC(情報・教育・コミュニケーション)およびスクリーニングのためのツールとしてEWARSのフリップチャートのソーシャリゼーションをバンテン州で実施

国際協力機構(JICA)は、インドネシア保健省(MoH)と共同で、2023年5月29日~30日にバンテン州において、IECおよびスクリーニングツールとしてのEWARSフリップチャートのソーシャリゼーションを目的としたワークショップを開催しました。ワークショップはバンテン州保健局の講堂で開催され、MOH、WHO、バンテン州保健局、Pandeglang県、Lebak県、Cilegon市、Tangerang市のプスケスマス(地域保健センター)や保健局から30人以上の臨床医やサーベイランス担当者が参加しました。
ワークショップでは、患者が持っている病気の徴候や症状のスクリーニングを実施することで、感染症の一時的な診断をサポートする簡単なツールとして、EWARSフリップチャートの使用を紹介しました。プスケスマスにおける適切な症例定義は、EWARSがモニタリングする疾患の疑い例を早期発見する手段として非常に重要です。フリップチャートを使用することで、症例定義の精度を向上させ、現場レベルでのEWARSのシステムが強化されることが期待されます。 フリップチャートは、(1)スクリーニングと診断の方法、(2)疾患に関する情報、(3)疾患への対応のステップ、(4)検査室での検査の必要性、(5)サーベイランスの報告、(6)ICD-10とEWARSの疾患コード対照表、各疾患のアウトブレイクの閾値などで構成されています。病気に関する情報は、保健従事者から患者へのIEC(情報、教育、コミュニケーション)ツールとしても利用できます。
参加者はみな、一緒に学び、議論し、ロールプレイも楽しんでいるようでした。フリップチャートのスクリーニングの部分を用いて、患者を診察し、どのように症例を定義し、診断するかを練習しました。この教材は実践的なツールとして現場で使える印象を持たれたようでした。しかし言葉をわかりやすくしてほしい、読みやすくしてほしい、などのいくつかの改善の要望も挙げられました。
ワークショップの2日目には、現場での試みが行われました。参加者は、実際の診察場面でフリップチャートを使って患者を診察しました。プスケスマスの臨床医が、フリップチャートのスクリーニングの部分を使って、ILIやCOVID-19の疑いがある患者の診断に役立てることができました。フリップチャートが効果的なものであったことが示されました。
バンテン州保健局長のHj. Dr. Hj. Ati Pramudji Hastuti, MARSは、この貴重な活動を支援しているJICA EWARSプロジェクトとインドネシア保健省への謝意を述べるとともに、関係者間の情報交換、調整、協力の改善の機運がさらに高まることを期待すると述べ、インドネシア保健省のDr. Triya Novita DinihariとJICA EWARSプロジェクトの久保木勇氏は、EWARSの実施ならびに質の改善・強化のために、この活動を継続していくと語りました。

参加者は、ポリクリニックの医師、サーベイランス担当官、患者に扮してロールプレイを行った。

参加者は、ポリクリニックの医師、サーベイランス担当官、患者に扮してロールプレイを行った。

EWARSについて講義する保健省サーベイランス・ワーキング・チーム長のトリヤ・ノビタ・ディニハリ医師

EWARSについて講義する保健省サーベイランス・ワーキング・チーム長のトリヤ・ノビタ・ディニハリ医師

MOH、JICA、WHO、バンテン州保健局、チレゴン市、タンゲラン市、パンデグラン県、レバク県の地方保健局、プスケスマからの参加者全員で集合写真

MOH、JICA、WHO、バンテン州保健局、チレゴン市、タンゲラン市、パンデグラン県、レバク県の地方保健局、
プスケスマからの参加者全員で集合写真