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アルゼンチンで「一村一品」の成果発表全国セミナー実施

2024年6月13日(木)から14日(金)にかけて、アルゼンチン国北西部のカタマルカ州にて、JICAがこれまでアルゼンチンで支援してきた一村一品運動の成果発表全国セミナーを開催しました。首都のブエノスアイレスから飛行機で2時間、カタマルカ州の州都から300kmに位置するベレン県を開催地に選び、これまで培ってきた関係アクターの主体性や関係性を最大限活かしながら、地域を巻き込んだ2日間に渡るイベントを開催しました。

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アルゼンチンでの一村一品運動

JICAは2019年からアルゼンチン国で技術協力「一村一品のコンセプトに沿った市場志向型インクルーシブバリューチェーンの構築プロジェクト」を支援しています。アルゼンチン国人的資本省・州自治体・市自治体・生産者グループと共に、各地域の状況に沿った一村一品のメカニズム構築を支援しています。アルゼンチンで続く厳しい政治経済状況のなかでも、地域のアクターが工夫をして様々な活動に取り組んでいます。

活動の集大成として、セミナーでは、アルゼンチン国内で一村一品運動を進める5州8つの地域から、自治体・生産者の代表者総勢120名が集結し、各地域の一村一品運動の成果・教訓・今後の展望について発表しました。往復4日間かけてかけつけた参加者もいます。発表に加え、地域ごとに設置されたスタンドでは、「一品」だけでなく、関連した地域産品の展示や観光サイトの案内などを実戦さながらに行いました。

セミナー終了後には、今回のセミナーに合わせて開催された地域の一村一品フェアーが開催され、セミナーの際の展示物が実際に販売される機会もありました。

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アルゼンチン国内の発表団体

  • ブエノスアイレス州タンディル市、アルミランテ・ブラウン市、マルコス・パス市、サン・マルティン市
  • ミシオネス州エル・ソベルビオ市
  • サルタ州グアチパス市
  • チャコ州パンパ・デル・インディオ市、ラス・パルマス市
  • カタマルカ州ベレン県、サンタ・マリア県、アントファガスタ・デ・ラ・シエラ県
  • CFI(El Consejo Federal de Inversiones)

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カタマルカ州ベレン県の「織物ルート」

アルゼンチンで一村一品運動を取り入れたカタマルカ州は、アンデス山脈にほど近い高地・乾燥地帯のベレン県にて、ビクーニャ・リャマなどの毛織物を一村一品の特産品として選定し、織物産業があるコミュニティをつないで「織物ルート」としてブランディングしています。

先住民文化が守ってきた伝統的な紡錘・機織りの手仕事は、ベレン県の地域の魅力を下支えしています。UNESCOが”Chaku”と呼ばれるインカ帝国時代から続く持続可能なビクーニャの毛刈りの儀式の文化的価値に注目し、プロジェクトチームや州自治体とともに無形文化遺産の登録に向けたパイロット活動が開始されました。

各コミュニティが織物産業の中でも商品や魅力を差別化し、「織物ルート」として成立するために、ベレン県とその周辺県内の14のコミュニティ、それぞれが誇りとする「一品」を特定し、それを軸とした地域ブランディングを進めています。「織物ルート」を中心とするコンセプトの下、日本の道の駅を見習った「ルートの駅」による産品販売と情報発信の場の整備や、コミュニティごとの特徴を盛り込んだコミュニティ観光ツアーの創造なども支援しています。

今回のイベントではこうした「織物ルート」の活動を強化することを目的として、セミナーに先立ち、地域アクターが主導して造成した3つのコミュニティ観光ツアーを試行しました。セミナー参加者が3つのグループに分かれ、地域の人たちが案内するツアーに参加しました。それぞれのツアーは「織物ルート」体験に加え、大自然の中の散策ルートや先住民の遺跡、地元グルメやローカル文化の紹介など地域資源を活用し組み合わせたユニークなものでした。実はツアーの当日の朝に暴風のため催行が危ぶまれたほか、途中の電柱が倒れ行く手をふさいだり、一台のツアーバスが故障のため急遽別のグループに合流したりと、いくつものアクシデントに見舞われましたが、「織物ルート」の関係者が協力して一部日程を変更しながらも無事に満足度の高い体験を提供できました。この経験を活かし、今後「織物ルート」の本格的な推進が期待できます。

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アルゼンチンでの一村一品運動の定着化

今後、アルゼンチンで一村一品運動が各地で定着するために、アルゼンチン国人的資本省による「一村一品全国プログラム」や州ごとの「一村一品州プログラム」の形成を支援しています。政府の地域振興政策として一村一品を位置付けるとともに、関心をもった州や市が地域の状況に応じて一村一品運動を導入できるよう、これまでに進めてきた地域でのグッドプラクティスや教訓と取りまとめ、戦略ドキュメントや方法論ガイドの作成を進めています。

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世界に広がる一村一品運動

一村一品運動は、1979年に大分県で発祥した、地域資源を活用した地場産業振興とまちづくりの取り組みです。

一村一品は①ローカルにしてグローバル、②自主自立・創意工夫、③人づくりの三つの原則からなります。一村一品は単にものづくりだけでなく、特産品・観光商品としての地域の魅力づくり、地域振興を率いるリーダー・組織づくり、住民の誇りと尊厳づくりなど、地域の活力を引き出す取り組みです。

当時の大分県知事であった平松守彦氏のイニシアチブによって、一村一品運動は大分県内だけでなく日本全国に広がり、JICAの協力を経て世界の多くの国や地域に広がっています。

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