ラオス国立大学工学部(FEN)で開催された工場自動化機器の寄贈式に参加しました!

本プロジェクトは、ラオスの産業振興に資する工学系人材の育成を目指し、2022年度末までに、FENの3分野(電気・電子、機械、土木)において、400以上の実験機器を導入しました。現在は、導入された実験機器を含む機器の適切な管理体制の構築や、それらを活用した実験・実習・卒業研究への支援を行っています。

この度、三菱電機(株)及び(株)セツヨーアステック、Arounkit Corporationから、2023年10月30日に開催されたFEN電気工学科への工場自動化機器の寄贈式にご招待いただきました。

これは、2社(三菱電機(株)、(株)セツヨーアステック)がCSR(企業の社会的責任)活動として、これまでのラオスを含む近隣国の大学や職業訓練校への機材供与の実績を踏まえ、三菱電機製PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)15セット、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)3セット、サーボ2セットを寄贈する運びとなったものです。

これらはFA(ファクトリー・オートメーション)機器と呼ばれ、工場を自動化するのに用いられます。具体的には、生産工程における材料の加工や部品の組み立て、製品の運搬に加え、管理業務等に活用され、工場の製造ラインの様々な設備に使われています。PLCは設備をコントロール制御するためのもので、パソコンにインストールされた独自のソフトウェア上で制御プログラムを作成し、そのプログラムでPLC本体が搭載されている設備に対して制御実行するために使われます。HMIは、設備の操作で行われてきたスイッチ操作、ランプ表示、メーター表示等を、タッチパネル付きのモニタ画面上で表示・操作するために使用されます。サーボは、指令を出した通りの位置や速度等を、正確に制御する用途で使用されます。FA機器を組み合わせて活用することで、より実際の現場に近い形での訓練が可能となります。

10月30日午前の寄贈式では、FEN部長、電気工学科長より寄付への感謝とともに、汎用性の高い機材供与はありがたく、最大限活用して、多くのエンジニアを育てていきたいとのコメントが述べられました。また、(株)セツヨーアステックは、会社案内とFA機器の紹介をされるとともに、学生の技術習得を通じて産業分野の改善につなげ、ラオスの成長を支援していきたいと話されました。

後日、ビエンチャン市内に本社を構えるArounkit Corporationの技術者が講師となり、FENの教員を対象として、供与されたFA機器と同社が開発したデモ機を用いた技術研修が行われる予定です。研修をラオス語でおこなうことで、教員のより正確な内容の理解と、技術の確実な定着を目指します。

機材を供与するだけでなく、教員が実践的な研修により機材の理解を深め、日々の講義を行うことで、学生が習得した技術を活かし、ラオスの社会に貢献する、という一連の協力は、ラオスと日本の双方が連携しているからこそできることでもあります。

このような貴重な貢献をしていただいた、三菱電機(株)及び(株)セツヨーアステック、Arounkit Corporationに感謝いたします。本プロジェクトでは、寄贈いただいたFA機器を含む機器管理・運用の改善を引き続き行い、さらに、同機器がFEN学生の学習・研究に活用されるよう、3社と協力していきます。

写真提供:ラオス国産業発展のための工学人材強化プロジェクト、(株)セツヨーアステック

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寄贈式の様子

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寄贈されたFA機器

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(株)セツヨーアステックよりFENへ機材供与

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FEN Soulyphanh学部長より(株)セツヨーアステックへ感謝状の贈呈