パワーアップした教材開発チームの日々の活動をご紹介します!
STEPMASプロジェクトも、2020年9月のプロジェクト開始から、早4年の歳月が経ちました。コロナ禍のため、オンラインで教材開発をスタートした本プロジェクト。コロナ禍も明け、4年の歳月を経て、教材開発チームのメンバーや活動内容にも様々な変化がありました。
この記事では、プロジェクト開始から4年経ち、さらにパワーアップした教材開発チームの日々の活動の様子をご紹介します。
教材開発チームのメンバー
プロジェクト開始当初、教材開発チームのメンバーとして集まったのは高等教育省の担当官、教育省のテキストブックライター、カリキュラム局の職員、パイロット校の教員養成校の理数科講師でした。教員養成校の教材開発にあたっては、講師による教材へのインプットや、教材検証への参加が不可欠でしたが、当時、教材開発チームに参加していた講師はパイロット校の講師、数人だけでした。
コロナ禍が明けてからは、全国の教員養成校の講師を集めた対面ワークショップや、地方の教員養成校でのモニタリングなどを通して、全国の教員養成校の講師ともネットワークを構築することができるようになりました。これらの活動を通して、パイロット校以外の教員養成校の講師からも「教材開発チームに参加したい!」という声があがるようになりました。このような声を受けて、現在は、理数科合わせて20名弱の全国の教員養成校の講師が教材開発チームのメンバーとして、活動に参加しています。
新しいメンバーの参加に加えて、4年前から継続して教材開発チームに参加してきたベテランメンバーのオーナーシップと、教科内容知識や教授法の指導力が向上したことも、大きな成果と言えるでしょう。
毎週恒例!教員養成校の講師向けオンラインワークショップ
STEPMASプロジェクトでは、教員養成校での教材活用の促進と講師の能力強化を目的に、週に1回、全国の教員養成校の講師を対象としたオンラインワークショップを行っています。
4年前は、オンライン会議ツールの使い方に慣れておらず、スムーズに会議に参加することが難しかった教材開発チームのメンバー。今では、教育省のメンバーのみならず、教材開発チームのベテランメンバーであるパイロット校の講師が中心となり、ワークショップの内容を企画し、ワークショップ用の教材を作成しています。さらには、外付けカメラを駆使して、実験のやり方を見せたり、コンパス等の教具を使った指導方法を見せたりなど、オンライン動画の配信者さながらの成長を遂げました。
オンラインワークショップが終わる際には、「とても勉強になった!これで良い授業ができます!」「Tenkyu tru!(ありがとう!)」との感想を、参加者の講師が共有してくれます。このようなオンラインワークショップで学ぶことを楽しみにしてくれている全国の教員養成校の講師の存在も、教材開発チームのメンバーの自信と活力の源になっています。
学生用教材・講師用教材の作成
現在作成している学生用教材や講師用教材は、初等学校の7年生・8年生の学習内容を対象とするなど、教科内容の面でも、以前にも増して難しい内容を扱うようになってきました。そのため、たとえば、算数チームでは、教材開発チームのメンバー自身が、教員養成校の学生になったつもりで、学生用教材のすべての問題を解くようにしています。正しい解き方がわかるようになるまで、時間がかかることもありますが、「教材開発チームが教材の内容をよく理解することが、教材開発の最初の一歩!」を合言葉に、一問一問、問題の解き方や、途中式などについて、専門家からの指導を受けながら、教材の細部まで確認をしています。
講師用教材の作成では、パプアニューギニアの学生にとって、よりわかりやすい指導をするために講師に必要な情報を丁寧に記載するようにしています。これも、ここまで説明したような地道な努力の積み重ねがあってこそです。「理数科教材開発のプロ」として、様々な経験を重ねてきた教材開発チームの知識、経験、そして「仕事にかける想いとプライド」は、パプアニューギニアの教育開発における何よりの財産といえるでしょう。
最後に
今日はパワーアップした教材開発チームの日々の活動の様子をお届けしました。プロジェクト終了まで、まだまだ為すべきことは山積みですが、教材開発チームのメンバー、全国の教員養成校の講師、プロジェクト専門家が力を合わせて、引き続き、よりよい教材の開発を目指して、邁進していきたいと思います!
オンラインで全国配信しながら作図方法を実演中(算数チーム)
オンラインで全国配信しながら実験を実演中(理科チーム)