被災者の声を行政に届けるために-復興・防災についての意見交換会の開催-
震災からの復興を目指す地域の復興計画づくりには、被災者が日々感じている復興ニーズの丁寧な聞き取りが欠かせません。本プロジェクトでは、被災者の方々が地域の計画づくりに何を期待し、またどのようなことに日々困っているかを確認するため、今年3月、プロジェクトの専門家が協力対象とするゴルカ郡バルパック村と、シンドパルチョーク郡ヘランブ村の2村を訪問し、住民の方々と意見交換会を実施しました。
特に女性や社会的弱者に焦点を置き、合計十数カ所で実施したこの意見交換会では、2015年の地震からの復興に関わる事柄のみならず、毎年身近で起こっている地滑りなどの災害リスクへの備えの必要性や、産業や生業の回復と発展への期待も多く聞かれました。地域の人々は、単に震災で失ったものを取り戻すのでなく、長期的な視点に立った地域発展や、これまでよりも災害に強い地域づくりに期待しており、そのために「より良い復興」に積極的に声をあげて参画していくことを望んでいる様子がうかがえました。
今後、各自治体では、行政と住民代表者によるワークショップを開催し、2村の意見交換会で聞かれた被災者の声も反映しつつ、住民参加型による各自治体の「復興ビジョン」の作成を行う予定です。
また、今回意見交換会を開催できたのは上記の2村ですが、プロジェクトが活動対象地としている残りの2市であるゴルカ郡パロンタール市とシンドパルチョーク郡チョータラ市の意見交換会は、現在コロナウィルスの影響により延期となっています。また、プロジェクトのその他の活動についても、現在日本に退避中の日本人専門家の現地渡航が叶わない中、どのように進められるのか、関係者で協議しているところです。
今後も本プロジェクトホームページを通じて、プロジェクトの遠隔実施の取り組みや、実施対象自治体の紹介などを掲載予定ですので、ご期待ください。
バルパック村での様子
再建の遅れている低カースト集落の住宅
ヘランブ村での協議