第2回気候変動レジリエンスワークショップの開催

本プロジェクトは、3つの異なる「気候変動適応策計画ゾーン(APZ)」を選定した上で、気候変動レジリエンス強化にむけたアクション・プラン(行動計画)を考案する活動が含まれますが、選定されたAPZのうちの1つ(湿潤低地(Moist Lowland):農業と牧畜(特に移牧)の混合様式が見られる場所)は現地の治安情勢が不安定なため日本人が立ち入りできない状況が続いていました。このため、この地域に代えて、東シェワ県のアダミトゥル・ジドコンボルチャ郡内の4村を新たに選定しました。これら4村は、半乾燥地域という他の2つのAPZとは異なる自然環境下にある農牧畜混合型の生計様式が主流となっている場所として、オロミア州政府側から提案があった場所です。プロジェクト専門家が実際に現地を視察するとともに、郡農業事務所や村の住民から話を聞いて状況を確認した結果、プロジェクトの目的に適う地域であることが確認されたため、代替地として選定しました。これにより、農業主体型(南西シェワ県ダウォ郡)、農林業混合型(ジンマ県セテマ郡)、農牧畜混合型(東シェワ県アダミトゥル・ジドコンボルチャ郡)といった、異なる自然環境下でオロミア州を代表する3つの生計様式を持つ対象地が決まりました。

第2回気候変動レジリエンスワークショップは、上記3つの郡・県の関係者を集めて2023年2月27日〜3月1日にかけて実施されました。第1回目(2022年8月)のワークショップで気候変動に起因する農林業分野の問題分析と適応策の検討を行っており、第2回ワークショップではこれらの検討を踏まえた活動案と、活動に取り組む関係者の検討を行いました。ワークショップは3つのAPZ(選定した県・郡)ごとに分かれた上でグループワーク中心に行いました。これを通じて、第1回ワークショップで行った問題分析を更に深く検討し、これに応じた適応策についても改めて議論しました。こうした適応策に応じた具体的な活動を考案する上で、現在の状況と目標とする状況の設定を試みながら必要とされる活動の期間を検討し、活動に主体的に取り組むべき関係者の分析を行いました。

ワークショップにはオロミア環境保護庁のカウンターパート(事業担当者)がワークショップのファシリテーターとして参加するとともに、連邦政府の農業省からも別のカウンターパートの出席を得て開催されました。ワークショップの最後には、3グループの各代表者がアクション・プランの土台について発表し、次回ワークショップで議論することを整理した上で閉会しました。

グループディスカッションの様子

グループディスカッションの様子

議論の結果概要を説明するグループの代表者

議論の結果概要を説明するグループの代表者

ワークショップの講評を行う農業省の担当者

ワークショップの講評を行う農業省の担当者