プロジェクトニュース:第1回本邦研修の実施について

第一回研修の実施

2022年11月8日~22日にかけて第一回本邦研修を実施しました。
本研修は、世界が新型コロナウイルスに対するつき合い方を模索・構築していく中、ウィルスに対する対策を徹底し、様々な行動制限が緩和されたことで研修再開を決定し、実施することに至りました。
ベトナム国のカウンターパート機関である建設省(Ministry of Construction)からの研修員派遣は、2018年以来、およそ4年ぶりとなったこともあり、11名の研修員及びMOCからの期待は自ずと増しており、それらを肌身に感じての研修となりました。

プログラム概要

公共工事の積算能力向上を目的とした研修であることから、日本において公共土木工事のための方策を企画立案する国土交通省及びその関連機関の施設で講義を行いました。また、ベトナム国のインフラ整備状況を踏まえ、ダム建設、官庁営繕、高速道路の改築及維持・修繕工事、駅周辺の再開発、下水道処理施設など様々な分野の現場視察を行いました。

2022年11月8日(来日)~22年11月22日(離日)

日程 研修内容
11月9日(水) 開講挨拶
研修概要の説明、研修目標の設定
積算データシステムについて(講義)
11月10日(木) 国土交通省における歩掛実態調査取り組みの紹介(講義)
積算資料(図書)における機労材単価について(講義)
11月11日(金) 日本と海外における公共事業の積算について(講義)
施工パッケージ型積算方式(講義)
DX,ICTの導入(視察)
道路又は河川関係の研究施設(視察)
11月14日(月) 国土交通省近畿地方整備局足羽川ダムにおける事業費等監理委員会の取り組み(講義)
足羽川ダムサイト(視察)
11月15日(火) 近畿地方整備局営繕部(営繕工事の建設マネジメント)(講義)
近畿地方整備局大阪第6地方合同庁舎(視察)
11月16日(水) 新東名道路概要説明(講義)
河内川橋P2橋脚(インクライン)(視察)
川西工事現場事務所、川西工事(塩沢工区)(講義・視察)
高松トンネル杭内(視察)
中津川橋(視察)
松田事業PR館(視察)
11月17日(木) 横浜市下水道事業の歴史及び概要(講義)
下水道事業における積算(講義)
日本における諸経費動向調査手法概要(視察)
11月18日(金) 首都高羽田線東品川更新事業現場(視察)
神奈川県横浜市下水道事業(北部水処理センター、北部汚泥資源化センター) (視察)
11月21日(月) 渋谷駅周辺再開発事業、渋谷区まちづくりの取り組み(講義)
渋谷ヒカリエ→スカイウェイ→スクランブル交差点・ハチ公広場
→渋谷フクラス→渋谷ストリーム(視察)
JICA研修センター(振り返り会)

研修の様子

近畿地方整備局足羽川ダム視察 (11月14日)

近畿地方整備局足羽川ダム視察(11月14日)

NEXCO中日本視察 (11月16日)

NEXCO中日本視察(11月16日)

道路・河川関係の研究施設(11月11日)

道路・河川関係の研究施設(11月11日)

振り返り会 (11月21日)

振り返り会(11月21日)

本プロジェクト長期専門家の所感

第一回本邦研修を終えて

講義及び現場視察の内容については、研修員が抱えている課題、模索している解決策等ともマッチしていたようで、概ね好評でした。一方で、国家レベルの取り組みにより特化した内容にして欲しい、質疑応答の時間が不足していた、などの意見が聞かれました。今後、2回目以降の本邦研修実施においては、更に効果的で効率的な研修となるよう、引き続き受入機関との調整に取り組みます。

今回の本邦研修実施後、カウンターパートの当該プロジェクトに対する姿勢がより能動的になり、プロジェクト活動にも好影響を与えています。ベトナム本国でのプロジェクト活動に加え、本邦研修についても、技術協力プロジェクトの両輪となる重要な活動であることを強く実感しました。

本研修にご協力いただいた受入れ機関、JICA関係者、コンサルタントチームのなどの皆様全ての方に感謝を申し上げます。

雑感

2週間の異国での滞在となると、食事も重要となってきます。今回、福井県への出張の際には、地元名産のセイコガニの甲羅焼きなどもアレンジしましたが、刺身などの生ものも含めあまり好まれなかったようです。しかし、予想外ではありましたが、日本酒の燗酒は彼らの嗜好にマッチしたらしく、次回は日本酒を飲むことのできる店の選定が必要であると感じました。他方、焼鳥などの肉料理、生野菜(キャベツ、トマト)などは比較的好評でした。

家族、親戚からのお土産のリクエストも多いようで、スーツケース2個(1個当たり最大23㎏/個×2個まで)プラスαの荷物の研修員が多く、帰りの成田空港への送迎バス下部の荷物スペースは満杯でした。