交通事故統計分析のワークショップを開催しました。

2023年6月に、本プロジェクトの成果1の交通事故データ管理に関連する能力向上を目的に、交通事故統計分析のワークショップを開催しました。今回の対象は運輸省(MOT)傘下の組織である交通安全オペレーションセンター(TSOC)、情報通信技術センター(ICTC)、交通政策計画局(OTP)、国道局(DOH)、地方道路局(DRR)、陸上交通局(DLT)、高速道路公社(EXAT)の職員約20名で、2023年2月の国家警察(RTP)職員を対象としたものに引き続いての開催となりました。

タイ国の交通事故減少に向けて、日本における交通事故統計(事故発生件数や死亡事故件数、等)の推移と、実施された様々な施策(シートベルト着用義務化、飲酒運転の罰則強化、等)との関係性を紹介するとともに、本プロジェクトが対象とするMOTの交通事故データ管理システム(TRAMS)における未入力データの問題点やTRAMSデータ分析結果からターゲット層を絞ること、そのためには信頼性の高い交通事故データが重要なことを説明しました。加えて、多様な関係機関が係わる交通安全施策の一覧を紹介し、データ分析から施策につなげる重要性を伝えました。日本人専門家からデータに関する疑問を担当部職員に直接聞いたり、参加者から日本人専門家にタイ国の交通情勢の現状評価や今後の対策について質問等が求められたりする等、活発な意見交換が行われました。

なお本ワークショップで話題提供をしたJICA専門家は、参加者が交通事故データを分析する機会が十分にない印象を受けており、今後この種のワークショプを展開していくことが、データ分析からエビデンスベースの交通安全施策を立案するきっかけとなり、分析を通じた交通事故データの信頼性の向上にもつながると考えています。

JICA専門家によるプレゼンテーション(日本の交通事故統計分析と活用法)

JICA専門家によるプレゼンテーション(日本の交通事故統計分析と活用法)