南南協力研修レポート③「第2回南南協力研修 ポストハーベスト実習」
2024年7月8日から17日まで、バヌアツ共和国の水産局局員を招へいし、第2回南南協力研修を実施しました。今回の南南協力研修ではフィジー水産省職員が講師となり、バヌアツの水産局職員を生徒として様々な研修を開催しました。今回はフィジー水産省西部地域事務所とラウトカ漁業協同組合(LFCL:Lautoka Fisheries Cooperative Limited)がバヌアツ水産局職員に対して実施した研修の様子をお伝えします。
西部地域事務所はラウトカ漁港と隣接しており、本プロジェクトの一環として小規模プロジェクト「漁業資源の持続的な利用を通じたラウトカ漁業協同組合の経済的利益・機会の最大化」を実施しています。これまで、西部地域事務所とLFCLでは市場に卸される魚の付加価値化の一環として船上から市場販売までの一連の流れを見直しました。以前ラウトカ市場では、常温で売られている魚が地べたに並べられており、適正な衛生環境ではない状態で販売されていました。そこで今回の研修では、それらを改善すべく本プロジェクトで実施した、①船上における魚の処理(血抜き・内臓処理・保冷)②市場の衛生管理(市場の消毒洗浄)、③市場における魚の加工(三枚おろしからフィレ加工および燻製処理)に焦点を置き実習を行いました。
本プロジェクトでポストハーベストを担当している南太平洋大学(University of South Pacific、以下USP)の講師Binesh Raj氏の説明の下で、船上処理を見学しました。次に、LFCL組合員主導で魚を加工する場所の洗浄を行い、魚の処理や品質検査の実習を行いました。これらを実践することで腐敗による食中毒を防止し、高品質な状態で売買できるため、レストランやホテルなどへ高値で卸す事が可能になり、またフィレ加工などで魚に更なる付加価値を付けることで漁業者の収益向上が見込めます。
バヌアツ参加者からも本研修で実際に一連の工程に参加して、非常に有益であったとのコメントがありました。さらにバヌアツでもフィジーでも育成した人員が流出しやすく、技術の蓄積が困難という共通した課題が挙げられました。この問題を解決するためにも、このような研修を反復して行い、技術の定着を目指すべきだという意見で一致しました。
Binesh氏(写真中央オレンジの服)による洗浄処理説明
魚の検温による品質検査
三枚おろし実習
ラウトカ市場にてグループ写真