2024年度の年間計画策定研修を実施

新年度のスタートに向け、1月18・19日の2日間、「年間計画策定研修」を全国14の県で実施しました。プロジェクトが予めプログラム内容や資料を用意して約1,000人の講師教員に事前研修を行い、研修当日は講師教員が一般教員に対する研修会を進行する、いわゆる「カスケード方式」の研修です。今回のプログラムは、①年間授業計画策定、②定期テストの問題を解いて指導のポイントについて話し合う、③単元テスト結果分析ツール(Excelファイル)の使い方講習の3つで構成しました。ESMATEの研修ではデジタル資料を多く活用しており、資料や作業シート、課題はすべて、参加者がQRコードを読み込みダウンロードして入手するようになっています。

エルサルバドルでは新年度は通常1月にスタートしますが、2024年度は大統領選挙後の2月6日となることが決まりました。普段よりスタートが遅くなり、また各学校や地域行事によって授業が行われない日も出てきます。年間の指導内容をカバーするために、評価結果に基づいて、例えば生徒が苦手な箇所に重点を置くなど、効率的な授業進行が求められ、この意味でも「年間授業計画策定」はとても重要となります。年間授業計画の見本をプロジェクトが作り参加教員に共有、それをもとに各教員がそれぞれの学校の事情に合わせて計画を作成し、今後授業の進行に伴って修正を行っていきます。

②のテスト問題を解くセッションでは、自身が問題を解くことで指導内容を確認し、その後グループに分かれて生徒のつまずきそうなポイントやその対応策について話し合います。5年生の先生方の話し合いでは、小数点を打つ位置を間違える生徒に対して自分の指導の工夫を共有し合うなど、現場レベルでの工夫を共有する姿が見られました。

③のセッションで扱った「単元テストの結果分析ツール」に結果を入力すると、生徒の苦手としている問題がどれであるかが明確になり、また得点分布などがグラフ化されます。このセッションでは、ツールを活用し授業改善に役立ててもらうことをねらいとしています。「学力評価に基づいた学びの改善」を目指している本プロジェクトの、教室レベルでの学びの改善の一環の活動なのです。

受講者によるアンケート結果によると、研修の評価は各プログラムとも「すばらしい」と「とてもよい」を合わせて95%以上、「よい」を含めると99%以上になり、新年度に向けて充実した研修となったことが窺えます。プロジェクトでは、本研修の内容が日々の教育活動にどのように生かされているかを新学年が始まってから見ていくとともに、6月に予定している「教員間振り返り」活動で、今回の研修に基づいた教育実践がどの程度行われたかを教員に振り返ってもらうべく、その内容を検討しています。

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研修資料はESMATEホームページのQRコードからダウンロードできる。

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ESMATEのロゴ入りポロシャツを着て参加者に説明する講師教員。

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テスト問題を自分で解いて指導のポイントを話し合う教員。

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単元テスト結果集計シートの入力を試す参加者