交通警察幹部を招待した「本邦招へい」が実施されました
本プロジェクトでは、ダッカ首都警察(Dhaka Metropolitan Police/DMP)幹部職員が、JICA本部に対して本技術協力プロジェクトの活動成果や今後の持続的発展に向けた計画を報告するとともに、日本の警視庁に対して、過去2年間の研修受け入れに対するお礼を含めた表敬と、今後の持続的な両者の関係性構築を含む意見交換を行う目的で本邦招へいを実施しました。
2025年7月12日より7日間、DMP交通部長であり本プロジェクトでダイレクターを務めるMd. Sarwar氏を団長としてDMP幹部12名を本邦に招きました。
まず訪れたのは、東京都台東区の東泉小学校です。ここでは、低学年の児童を対象とした交通安全教育を視察しました。警察官が腹話術人形を使って交通ルールやマナーを伝えるとともに、模擬信号や模擬横断歩道を活用した実践的な指導を行う姿に、参加者は強い関心を示しました。
次に、警視庁交通部長への表敬訪問および交通安全活動に関する意見交換会を実施しました。表敬訪問の中でDMP幹部職員一同は、これまでの研修の受入れに対する御礼を伝え、警視庁交通部長からは、意見交換を通じて互いに学びあうことの重要性について言及がありました。また、意見交換会では、事前質問事項を基に、活発な議論が交わされました。DMP職員の関心は非常に高く、議論は予定時間を大きく超えて約2時間に及びましたが、警視庁の出席者には最後まで丁寧にご対応いただき、充実した議論を行うことができました。
その他、招へい者は、千葉県警の交通管制センターおよび通信指令室、広報センター、ホンダが運営する自動車教習所(レインボーモータースクール和光)を訪問・視察しました。訪問・視察では、日本の免許制度や教習所制度の仕組み、教育カリキュラムなどについて詳細な説明を受け、その後、二輪車の訓練場やシミュレーターなどを視察・体験しました。DMPは現在、ダッカでDMP職員用の運転訓練所の設立を進めており、日本のカリキュラムやコースの内容は大いに参考となりました。
また、自治体・教育機関・警察が連携し、地域住民とともに交通安全活動を進めている現場を視察しました。訪問した埼玉県朝霞市の東弁財地区では、子どもを含む道路利用者の安全確保のため、交差点にハンプを設置したり、横断歩道に視認性の高いカラー舗装を施したりしています。この視察を通じて、警察が他の機関と連携し、地域住民の安全と安心を守っている姿を学ぶことができました。
JICA本部では、これまでのプロジェクト成果を報告するとともに、今後の持続可能な活動の在り方について意見交換を行いました。
今回の本邦招へいを通じて、DMP幹部は日本の交通安全対策を直接体験し、自国での応用に向けた多くの知見を得ました。今後は、学んだことを参考に、交通安全活動をさらに推進していきます。
警視庁交通部長表敬訪問 意見交換会
台東区東泉小学校低学年生を対象に行われた交通安全教育 視察
ホンダ レインボーモータースクール和光 講義
ホンダ レインボーモータースクール和光運転シミュレーター体験
朝霞市東弁財地区に設置されたスムーズ横断歩道 視察
JICA本部 本プロジェクト成果報告及び招へいにおける気づき・学びの発表