パイロットプロジェクト「交通安全教育センター(TSEC)の設立」
ダッカ交通安全プロジェクトでは、交通安全の重要性を広く伝えるとともに、市民や警察官の交通ルール順守意識を高めることを目的に、さまざまなパイロットプロジェクトを実施してきました。その一環として、「Traffic Safety Education Centre(TSEC)」を整備することになりました。
TSECの整備は、ダッカ警察(DMP)の職員からの要望を受けて実現したもので、2025年6月、ラジャルバーグ地区にあるダッカ警察トレーニングアカデミー内の一室を改修し、開所しました。
TSECには、バングラデシュで初めて導入される、最先端のバーチャル交通安全教育シミュレータが設置されています。このシミュレータは(一財)日本交通安全教育普及協会(JATRAS)が開発したもので、現地の人々が学びやすいように言語や交通標識などが現地仕様に改良されています。受講者は、自動車・自転車・歩行者の3つの立場から交通上の危険を予測し、安全な行動を取る方法を学ぶことができます。
2025年6月初旬には、JATRASの専門家が現地を訪問し、DMP職員13名に対してシミュレータの操作方法および活用方法に関する研修を実施しました。
6月25日には、TSECの開所式が行われました。これに続き、最初のプログラムとして、学校教員を対象とした交通安全教育講座を8月から9月にかけて7回開催し、約100名の教員が参加しました。今後は、学生向けの講座など、対象を広げた取り組みも予定しています。
JATRAS専門家によるシミュレータ活用研修
DMPトレーニングアカデミー内に設置されたTSEC
先生によるシミュレータ体験
先生による交通表示の整備練習