Workshop on Dental Fee Schedule in Japanの開催

2023年8月14日にタイ王国歯科医師会とGLO+UHC2プロジェクトの共催で、Workshop on Dental Fee Schedule in Japanをオンラインで開催しました。

タイ王国ではインフォーマルセクターに属する約7割の国民に対して国家医療保障機構(NHSO)がUniversal Coverage Scheme(UCS)を提供することでUHCを達成しましたが、全国に約6,000ある民間歯科クリニックはUCSによる歯科保健サービス提供に関与しておらず、国民の歯科医療ニーズとのギャップが生じています。

タイ王国歯科医師会では、「Access to Dental Care」ワーキンググループを歯科医師会内に設置し、タイ国民への歯科医療サービスへのアクセス向上に関する検討を行っています。また、NHSOにおいても、GLO+UHCプロジェクトの支援により、UCSに取り入れた診療報酬点数表に歯科医療サービスを加えることで、歯科医療サービスへのアクセス向上の方策を講じているところです。

このような状況を踏まえて、本ワークショップは、日本の歯科診療報酬に関する理解を深め、歯科診療報酬の設定に係る実務(保険適応、点数設定、改定頻度等に関する考え方)について学ぶとともに、歯科診療報酬を用いた医療の質向上に関する日本の経験を得ることを目的として実施されました。

ワークショップには、タイ王国歯科医師会関係者やNHSOから約80名にご参加頂きました。冒頭、タイ王国歯科医師会会長より、本ワークショップへの期待と開催にあたっての感謝が述べられました。続いてGLO+UHC2プロジェクトよりオリエンテーション及び歯科診療報酬を学ぶにあたって前提となる日本の医療保険制度の概要についてプレゼンテーションを行いました。その後、厚生労働省保険局医療課の担当官より、「日本の歯科保健医療を取り巻く状況」、「歯科診療医療費」、「診療報酬について」、「歯科診療報酬の構成」、「歯科診療報酬の対象となる医療技術」、「新たな医療技術の保険適用」、「歯科材料への対応」についてご講演頂きました。

タイ王国歯科医師会副会長及びGLO+UHC2プロジェクトがファシリテーターとなり、ディスカッションが行われました。参加者からは、点数設定の根拠となるデータについて、歯科医師と歯科衛生士の役割分担とその報酬計算について、口腔保健政策(8020運動等)と歯科診療報酬の関連について等の質問がなされ、日本の歯科診療報酬に対する理解を深めるとともに、UCSへの適用について検討がなされました。

本ワークショップにより、関係者の歯科診療報酬、ひいては保健財政に関する理解がより一層深まり、タイUHCのさらなる発展の一助となれば、プロジェクトとして望外の喜びです。

最後に、ワークショップにご登壇頂いた講演者、ワークショップに出席し積極的に関与下さった参加者、ディスカッションを円滑に進行頂いたファシリテーター、そして、本ワークショップの企画・運営・実施にご協力頂いたタイ王国歯科医師会の皆さまへ心より感謝申し上げます。

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