看護職のための継続教育（CPD）フォーラムの開催

2022年６月６日〜８日、「看護職のための継続教育フォーラム」を開催しました。GLO+UHC2プロジェクトは2022年３月から2023年２月にかけて「看護職のためのCPDワークショップシリーズ」を計４回実施してきました。これまでのワークショップで深めてきたCPDに関する知識や経験を踏まえつつ、CPDシステムの実現に取り組んでいるラオス及びベトナムを対象に、各国の現状の分析、課題の特定、CPDシステムの実現に向けた計画の策定及び各国間のさらなるネットワーク強化等を目的にCPDフォーラムを実施しました。

ラオスからはJICA技術協力プロジェクト「The Project for Sustainable Development and Quality Assurance of Healthcare Professionals」の支援を受けて、ラオス保健省保健人材局、保健人材カウンシル、看護助産委員会、医師委員会・歯科医師委員会、University of Health Sciences薬学部、JICAラオス「持続可能な保健人材開発・質保証制度整備プロジェクト」から14名の方が、ベトナムからはJICAベトナム事務所の支援を受けて、ベトナム保健省科学技術及び訓練部局、看護師協会及びNam Dinh University of Nursingから３名の方が本フォーラムに参加しました。タイからはタイ王国保健省看護課、タイ王国看護師会からCPDシステムの専門家が参加され、本フォーラムに対してご協力をいただきました。

本フォーラムでは、CPDワークショップシリーズで得られたラオス・ベトナムが抱えている課題を踏まえて、CPDシステムの実現のために必要な要素から、以下の３つをテーマとして設定しました。

これらのテーマに沿って、３日間にわたり、すでにCPDシステムを実施・運営しているタイの専門家から、それぞれのテーマごとのコンセプト、実施にあたり検討すべき事項、タイのCPDシステムの実情等についてレクチャーが行われました。レクチャー後は、各国ごとに２グループに分かれて、CPDシステム実現に関する具体的な課題、課題解決に必要な方策等について、タイの専門家がファシリテーターを務めながら、ディスカッションを行いました。

３つのテーマについてレクチャー及びディスカッションを行ったのちに、CPDシステム実現に向けた具体的なとりまとめ文書の策定のためのセッションを設けました。各国の担当者は、タイの専門家の協力を得ながらアクションプラン等の文書のドラフト作業を行い、３日目のラップアップセッションにおいて発表しました。

また、本フォーラム中に、タイ王国看護師会内のContinuing Nursing Education Centerを訪れ、看護師会においてどのように看護師のための継続教育を実施・管理・運営を行っているのかについて、担当者からの説明を交えながら視察を行いました。さらに、King Chulalongkorn Memorial Hospitalにも訪問し、医療機関内で実施されている新人看護師対象のトレーニングや学位取得後の看護師研修トレーニングの取り組みについても視察を行いました。

GLO+UHCプロジェクトは、今回のCPDフォーラムをこれまでのCPDワークショップシリーズの発展版として位置付け、ラオス及びベトナムがCPDシステムの実現に際して直面している課題等に対して、より直接的かつ具体的にアプローチを行うことを目指しました。タイが有する経験や知識を用いることで、ラオス及びベトナムが必要とする支援を個別具体的に提供することができ、加えて、JICAラオスプロジェクトやJICAベトナム事務所といったJICAのネットワークを活用することでより効果的かつ効率的な南南協力・三角協力を行うことができたと考えています。

改めまして、本フォーラムにご協力いただいたすべての皆さまに心より感謝申し上げます。
GLO+UHCプロジェクトは引き続き日タイのグローバルヘルスとユニバーサルヘルスカバレッジに関するパートナーシップを強化するとともに、2030年までのUHC達成に向けて周辺国支援等に関して微力ながら尽力して参ります。

本フォーラム主催者：

リンク：「看護職のためのCPDワークショップシリーズ」