第1回本邦研修を行いました。

2023年4月3日から14日に、本プロジェクトの第1回目の本邦研修が実施されました。タイ運輸省鉄道局(Department of Rail Transport, DRT)から15名が参加し、鉄道マスタープランの作成に必要な幅広い知識に関する講義を有識者から受けると共に、駅周辺のまちづくり、TOD(Transit Oriented Development)、相互直通運転など、様々なテーマで視察と講義を行いました。

(1) 講義:鉄道マスタープランの策定について、以下のような講義が行われました。

  • 需要予測(芝浦工業大学 岩倉教授):MPにおける需要予測の役割、需要予測の進め方、需要予測のための重要なデータ、BMR(Bangkok Metropolitan region)の需要予測において重要な点。
  • 東京首都圏の鉄道MP(運輸総合研究所 伊東特任研究員):首都圏MPの歴史、計画策定のための組織体制、計画内容、鉄道開発のための様々な資金スキーム、BMR MPへの提言。
  • 持続可能な鉄道開発プロジェクトについて(政策研究大学院大学 森地教授):長期的な鉄道ネットワーク、持続可能な鉄道運営、都市鉄道による持続可能な都市構造など。
  • タイにおける鉄道開発(日本大学 福田敦教授):TODと鉄道整備、鉄道駅へのアクセス分析、歩きやすさに関する調査

(2) 現場視察:鉄道施設や都市開発など、以下のような現場を視察した

  • JR高輪ゲートウェイ駅:駅周辺の都市開発、JR東日本が推進する最新技術による新駅など。
  • 虎ノ門ヒルズ駅:東京メトロ、UR、森ビル株式会社が連携した、道路・鉄道・都市開発の一体開発。
  • 東葉高速鉄道:メトロ東西線と東葉高速鉄道の相互乗り入れ。八千代緑が丘駅周辺のまちづくり(八千代市)や、船橋日大前駅周辺のまちづくり(UR)の見学。
  • 宇都宮ライトレールトランジット(LRT)
  • 烏山線を走る蓄電池駆動電車:電化区間を走行し、非電化区間ではバッテリーで走行するように設計された、ハイブリッド車両

閉会式では、DRTのPichet Kunadhamraks局長が、JICAとJICA専門家チームのサポートに感謝の意を伝えると共に、今回の研修は、日本とタイの協力関係の深まりを示すものであり、持続可能な鉄道システム整備のプラットフォームとなることへの期待が述べられました。

政策研究大学院大学 森地教授による講義

政策研究大学院大学 森地教授による講義

高輪ゲートウェイ駅への視察

高輪ゲートウェイ駅への視察

改良後の虎ノ門駅のホーム視察

改良後の虎ノ門駅のホーム視察

宇都宮LRTの車庫の視察

宇都宮LRTの車庫の視察

JICA 社会基盤部運輸交通グループ第三チーム小野智広課長と鉄道局 Pichet局長

JICA 社会基盤部運輸交通グループ第三チーム小野智広課長と鉄道局 Pichet局長

DRT研修員、JICA専門家チーム、JICA担当職員の集合写真

DRT研修員、JICA専門家チーム、JICA担当職員の集合写真