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浄水施設の運転・維持管理支援

本技術協力プロジェクトでは、安全な水を安定して供給できるよう、南スーダン都市水道公社への技術支援を行っています。無償資金協力「ジュバ市水供給改善計画」により建設された浄水場が水道公社に引き渡され、運転開始から約4カ月が経過しました。安全な水を供給するため、水道公社ではいくつもの工程を管理しています。
今回は、新しい浄水場で行われている処理工程を紹介します。

1)取水

ジュバの水道水の水源はビクトリア湖を主な源流とする白ナイル川で、川岸に設置された取水口から浄水場の着水井へと水が汲み上げられます。取水用のポンプは予備も含めて3台あり、常時2台のポンプを稼働させます。

運転・維持管理のポイント

ポンプの運転はローテーションして稼働時間を均等にすることで、ポンプの摩耗や劣化の進行を均一化させ長寿命化に努めています。

2)凝集・沈殿

取水ポンプで汲み上げられた水は、着水井・混和池へと送られ、凝集剤が注入されます。凝集剤の注入により形成された小さなフロック(不純物の塊)は、フロック形成池へと導かれ、ゆっくり撹拌されることでより大きなフロックになり、沈殿池へと導かれます。沈殿池では、重力作用によりフロックは底に沈み、きれいな上澄水だけがろ過池に流れていきます。

運転・維持管理のポイント

フロックは、汚泥として沈殿池の底に溜まるので、毎朝決まった時間に沈殿池の排泥バルブの開閉操作を行い、汚泥を排出します。

3)砂ろ過

凝集・沈殿処理された水は、さらに砂でろ過されます。ろ過を継続すると、ろ過砂は細かい汚れが付着し、目詰まりするため、抵抗が上昇します。そのため、水の流れが悪くなり、ろ過池の水位が上昇していきます。ろ過池の水位が一定の高さを超えたタイミングで、空気と水をろ過池の下から送り込み、砂に付着した汚れを除去します。

運転・維持管理のポイント

砂ろ過の工程では、各ろ過池の水位を監視し、各ろ過池の洗浄のタイミングや洗浄間隔の調整を行っています。

4)塩素注入

凝集・沈殿、砂ろ過によって汚れが取り除かれた水は、最後に殺菌消毒のため塩素が加えられます。塩素注入量は処理水量に応じて調整され、最終的に顧客に水を供給する箇所での残留塩素濃度を適切に保つ必要があります。

運転・維持管理のポイント

定期的に塩素の適正注入量を決めるための試験や、取水量・処理水量の記録・監視、注入設備の点検・清掃を行い、適正な濃度管理に努めています。

上記の業務に加えて、電力供給がプリペイド式であるため電力使用量の確認、凝集剤や塩素などの薬剤の調達、浄水場の定期的な清掃、水質検査などの管理業務も行われます。運転開始から約4カ月、大きなトラブルはなく順調に住民のもとへ水の供給が行われている一方で、施設オペレーターの不足や高齢化などの問題もより顕在化しています。
本プロジェクトでは、これらの問題にカウンターパートと一緒に取り組み、持続可能な給水サービスの実現を支援していきます。

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1)取水ポンプの維持管理方法を説明する様子

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2)凝集・沈殿後のきれいな上澄水

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3)ろ過池洗浄操作の様子

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4)注入設備の清掃の様子