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「第4回域内水道事業体連携ワークショップ」が開催されました

ルワンダ・ケニア・マラウイ及びオブザーバーとして参加する南アフリカの計4カ国からの水道事業体の無収水(注1)対策の実務に携わる職員、ならびに同分野に携わる水道関連組織の職員が一堂に会し、ルワンダの首都キガリ市において、「第4回域内水道事業体連携ワークショップ」が、2023年7月25~27日に渡って開催されました。

JICAはグローバル・アジェンダ「持続可能な水資源の確保と水供給」において、水道事業体の持つ知見や経験(ナレッジ)の創出と共有を推し進めるべく、各国事業体の無収水削減に関する取組みの情報交換や学び合いの場を提供するなどの支援を積極的に行っています。本プロジェクトにおいてもルワンダ水衛生公社(以下WASAC)の同域内水道事業体連携に対する取組みを支援しています。

1 経緯

WASACはマラウイのリロングウェ水公社(以下LWB)と2017年7月に協力協定書を締結し、無収水削減を含めた相互の学び合いを促進することに合意しました。その合意を受け、2018年11月に、キガリ市において「第1回無収水対策ベンチマーキングワークショップ」が開催されました。このワークショップには、当時ケニアでのJICAによる支援対象(注2)となっていた、エンブ水資源管理公社(以下EWASCO)も参加し、3つの水道事業体による域内連携の事業として実施されました。

第2回はLWBがホストとなり、2019年9月にマラウイの首都リロングウェ市において開催され、「無収水削減にかかる好事例・失敗の教訓」について各国の取り組みを踏まえた学び合いが実施されるとともに、同取り組みを継続していくことを参加国間で合意しました。その後コロナウィルスの世界的な蔓延に伴う渡航制限の影響から、しばらくワークショップの開催が延期されておりましたが、そのような困難の下でも、参加各国事業体はJICAの支援を得ながら、1~2カ月に1度のペースで無収水削減の取り組みに関する意見交換をリモートで継続してきました。

コロナによる渡航制限が緩和されたのち、2022年5月にEWASCOがホストとなり、第3回ワークショップが開催されました。同ワークショップには南アフリカ地方自治体協会(以下SALGA)もオブザーバーとして参加しました。

今回のルワンダで実施された第4回目のワークショップでは、これまで継続してきた各国事業体における無収水削減に関する活動の進捗を報告し合うとともに、各事業体における料金徴収や無収水削減活動に資するデジタル技術の適用に関する情報交換により、業務プロセスの好事例を見出すことを目的として実施されました。

2 ワークショップの内容

2.1 第1日

ワークショップの開催にあたり、WASACの維持管理部門を担当する部署の責任者であるMethode都市給水衛生サービス局長、続いて塩塚JICAルワンダ事務所長から開会宣言とあいさつがなされました。

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Methode局長の開会宣言

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塩塚JICAルワンダ事務所長の挨拶

開会のあいさつののち、今回が初の参加となる出席者向けに、本域内水道事業体連携の活動に関するこれまでの経緯や活動目的について説明がなされました。引き続いて各国水道事業体の概要と、それぞれが直面している課題とそれに対する現状の取り組み等についての説明と意見交換が行われました。

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各事業体による概要説明(WASAC)

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各事業体による概要説明(EWASCO)

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各事業体による概要説明(LWB)

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各事業体による概要説明(南アフリカSol Plaatje市)

2.2 第2日

各国で実施している無収水削減活動状況を報告するとともに、各事業体における料金徴収や無収水削減活動に資するデジタル技術の適用に関する現状を報告し、意見交換を行いました。

引き続いて、午後にはWASACにおいて官民連携(PPP)により建設から運転維持管理を民間会社に委託して実施しているKanzenze浄水場の現地視察を行うとともに、PPPで事業を実施するにあたってWASACが直面した問題点や今後の課題についての意見交換がなされました。

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議論の様子(その1)

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議論の様子(その2)

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Kanzenze浄水場視察(その1)

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Kanzenze浄水場視察(その2)

2.3 第3日

水道分野に関する実務者の養成や能力開発を担うケニア水道研修所(以下KEWI)や、南アフリカの水・衛生省(以下DWS)から、無収水削減を中心とした水道分野に関する研修プログラムの概要説明をして頂くと共に、各事業体の実務者の能力向上やKEWIなどの参加事業体の活用の可能性に関する意見交換も実施されました。

引き続いて、本プロジェクトのJICA専門家である松井アドバイザーより、本人の東京都水道局勤務時代の経験に基づいた、同水道局の顧客サービス向上のための取り組み、職場におけるカイゼン活動の導入・実施事例の紹介に関する講義が行われました。講義を通して、職員個々が持つ気づき・アイデア・能力を最大限に活用できるような職場環境づくりが大切であることが強調されました。

また、同ワークショップの総括として、今回のワークショップを経て今後どのような点に注力していくか、どのような取り組みに着手すべきか、どのようなことを同僚に伝えるかに関する決意表明が、各事業体からなされました(例:本域内水道事業体連携プログラムの継続と拡大、職員の能力向上のための研修プログラムの充実、職場へのカイゼンアプローチの導入、無収水削減活動におけるデジタル技術の積極的な導入など)。

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KEWIによる研修事業概要説明

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松井アドバイザーによる講義

最後に、塩塚JICAルワンダ事務所長、WASACのGisele 執行役員代理から、本水道事業体域内連携プログラムの継続と同プログラムの下での各国水道事業体による交流の維持・促進を期待する旨のコメントとともに閉会の挨拶がなされました。

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参加者集合写真

3 域内水道事業体連携プログラムの今後について

各事業体は、同プログラムにおいて継続されている、無収水削減活動に携わる実務者による1~2カ月に1度のリモート会合を通した交流を、今後も継続していく予定です。
なお、次回の同プログラムワークショップのホスト国は2023年8月末に開催のリモート会議の場で正式決定される予定です。

(注1)無収水とは、水道管からの漏水などにより、料金請求の対象とならなかった水のこと。
(注2)ケニア共和国 無収水削減能力向上プロジェクト