ARCHプロジェクトの重要成果の一つが結実への第1歩!~バンコクにて標準訓練コースBasic Disaster Health Management Course(Bコース)開催~

2023年7月4-7日、タイのバンコクにてBasic Disaster Health Management Course(Bコース)がASEAN加盟国9カ国、実施国タイ、そして日本から参加者を招き開催されました。

ARCHプロジェクト(Phase2)の成果の一つ「能力強化のための活動実施」では具体的活動指標として「災害医療にかかる標準カリキュラム開発(基礎コースと調整コース)」を挙げており、基礎コース(Bコース)は「Basic Disaster Health Management Course」としてタイのカウンターパートであるNational Institute for Emergency Medicine (NIEM)のThai Taskforceのメンバーを中心に、ARCHプロジェクトのサブワーキンググループ(SWG)にて開発が進められてきました。

カリキュラムの国際標準化には国毎の医療標準や言葉の違いなどのバイアスを考慮したコンテンツ開発が必要であり、より効果的なコース内容にする為に各国のSWGメンバーと共に開発が進められてきました。。NIEMは本Bコース国際参加者への実施前に、2022年6月に国内南部(Surat Thani)にて地元の医療機関に従事する医師、看護師、救急救命士、ロジスティスティシャンを対象にコースを試行開催し、コンテンツ、効果、開催仕様、開催経費などの分析を行い、国際標準化コースの実施に準備を整えました。

このコースの目的は各AMSでのトレーニング指導者に向け実施する事で、各国でのトレーニング開催を計画、デザイン、準備、実施、そして総合的に管理を可能にする事です。これらはARCHプロジェクトによって開発されたカリキュラムや教材を使用してトレーニングプログラムを管理する事が求められます。この目的は別途開発しているCコース(Coordination Course)との共通目的です。

コースは座学オンライン受講と対面式研修の2部から構成されます。参加者は研修参加前にオンラインにてコンテンツを受講し、基礎知識を確認・習得します。対面式研修は初日からの概念学習や事例検討などもグループワークを積極的に採用し、また、Thai Taskforceが開発したゲームなどを通して、後に続くTTXに向けたチームビルディングを進めます。

本コースは医療者だけでなくEMTに所属するロジスティシャンなどの非医療者も受講対象であり、コースには属性に分かれてそれぞれに求められる知識・技術を習得する工夫もされています。このコースは最終的に卓上総合演習でEMTCCから現場アセスメントと調整、派遣活動までをチームに分かれて実施します。

今回はMock-upと言う事でAMSからコース提供者となり得る人材が参加し、コース終了後には評価会(After Action Review:AAR)が行われました。各国の参加者からコースに参加した上でのフィードバックが多角的に行われ、今後の改善に生かされます。この後は各AMSでの実施が順次期待され、今回開発に当たったThai Taskforceは講師としての人材としてAMS内で活躍する事になります。

【コースプログラム】

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ワークを多く取り入れたプログラム

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TTXに組み込まれたEMTCC演習

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自国のコーディネーション体制を基にEMTに与える支持を再確認

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被災患者をトリアージする傍ら被災地との調整を取るロジ担当者

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NIEM総裁Dr. AtcharyaとJICAタイ事務所鈴木事務所長を招いての閉会式