地域学術活動を動かす主要活動を決定する重要会議：第5回ASEAN Academic Network on Disaster Health Management 運営会議／第2回ASEAN Journal of Disaster Health Management編集委員会議開催

2024年９月24日・25日に、ASEAN学術ネットワーク（ASEAN Academic Network on Disaster Health Managament：AANDHM）活動を推進するための運営委員会（Steering Committee：SC）会議と、それに先立ち、AANDHMの公式ジャーナルであるASEAN Journal of Disaster Health Management（AJDHM）編集委員（Editorial Board会議）がインドネシア・ジョクジャカルタにあるASEAN災害保健医療機関（ASEAN Institute for Disaster Health Management：AIDHM）にて開かれました。

1. 9月24日　第2回AJDHM編集委員会議　
議題
1) Report on the progress of the AJDHM publication
2) Discussion on the future publication plan of AJDHM
3) Introduction of WADEM 2025 Tokyo
4) Review results of the papers for the 1st issue of AJDHM

今回は編集委員結成以来の2回目となる会議で対面式で行われました。

本会議の主な目的は12月に迫るAJDHM創刊号の発刊に向けた進捗の共有と目次案の承認など必要な決定事項についての協議です。AJDHMの発行計画及び運営はブルネイ、カンボジア、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、そして日本から選出された編集委員とAIDHM内に設置された編集部（AJDHM Production Unit）が担っており、創刊のための理念とガイドライン、査読体制、発行機関（ジャーナル発行元）とオンラインシステムの構築など全てを築き上げる必要がありました。編集委員は主に投稿論文の査読と質の担保や必要な意思決定を行い、編集部はジャーナル発行の実務を行います。

2. 9月25日　AANDHM運営員会会議　
議題
1) Updates from the ASEAN Health Sector relevant to the SC/AANDHM
2) Updates on the AANDHM related matters at the Regional Coordination Committee on Disaster Health Management (RCCDHM) level
3) Update the progress of operationalization of the AIDHM
4) Membership of ASEAN Member States (AMS) and Non-ASEAN Institutes for ASEAN Academic Network on Disaster Health Management (AANDHM)
5) Progress report of the Joint Research Programme under the ASEAN Academic Network on Disaster Health Management
6) Discussion on the Development of the Regional Training Courses and Implementation of In-country Courses, and Establishment of Regional Training Center
7) Publication Plan for ASEAN Journal of Disaster Health Management (AJDHM)
8) Update on the proposed 3rd ASEAN Academic Conference on Disaster Health Management (AAC on DHM) 2025/Discussion the programme of 3rd AAC on DHM
9) Introduction of the World Association for Disaster and Emergency Medicine (WADEM) Congress on Disaster and Emergency Medicine, May 2025, Tokyo

AANDHM運営会議は地域学術ネットワーク活動の意思決定会議です。Knowledge Management活動全般に関する進捗の共有と必要事項の承認を行います。AANDHMは現在メンバー機関の拡充に努めており、域内外合わせて25機関（本会議で承認された3機関含め）が参加しています。AANDHM活動はこのメンバー機関が学術活動に参加することが出来る枠組みになっており、域内の学術活動の発展に寄与する事が期待されています。

今回新たに提案された議案は「地域研修センターの設立とDHM関連研修（国内・地域）の実施」です。ARCHプロジェクトが支援している災害保健医療にかかるASEAN首脳宣言を実施するための行動計画（Plan of Action to Implement the ASEAN leaders’ Declaration on DHM：POA）地域目標10に掲げられており、プロジェクト終了後にAIDHMがこの実施調整機能を持つ事になっています。ARCHプロジェクトでは国内・地域研修コースを開発支援しており、国内研修ではBasicコース（Bコース）とCoordinationコース（Cコース）、地域研修はこれら国内研修を実施するトレーナー養成コース（TOTコース）が開発されています。その他の研修コース開発や研修センター認定のメカニズム、それにむけた規定の策定に関する
議論がなされました。その他、2025年度に実施する第3回ASEAN学術会議実施のための協議では、タイが正式にホストに手を挙げ承認されました。それぞれの議題において活発な議論が行われ、ARCHプロジェクトの締めくくりに向け運営機能の安定化を図ることが期待されています。