第6回Regional Collaboration Drill開催！（野外訓練編）：タイでの大規模洪水を想定した受援と災害緊急医療体制の確認とASEAN各国連携を演習する大規模訓練
2025年2月9‐13日、ARCHプロジェクト期間内最終となる第6回Regional Collaboration Drill（RCD）が開催されました。本レポートは、訓練2日目野外演習からをまとめた後編となります。
【2月11日：Day 2】Deployment-Field Exercise
前日のEMTCC会議を受け、活動地が指定された各国EMTは指定された被災地に移動し活動を開始します。FTXシナリオは午前が派遣1日目、午後が派遣7日目想定で構成されており、傷病者対応に加えて、医療ニーズ分析に寄与する各チームの情報管理能力の向上も期待されています。演習終了時には、撤収報告（de-mobilization report）の提出が各チームに求められました。
| 演習サイト／ETMタイプ | Bangkok | Nonthaburi | Pathum Thani |
| EMT classified by WHO (or in process) | The Philippines Singapore | Indonesia | Malaysia |
| Non classified | Cambodia | Myanmar Vietnam | Lao PDR Brunei |
| Joint Operation | N-EMT Bangkok metropolitan and CDEM (Chulaborn Disaster and Emergency Medicine Center) | Nonthaburi MERT and Military-MERT | Thailand I-EMT and JDR |
■ Bangkokサイト：ベンチャキティ公園
Inject：Mental Health Crisis Management, Decontamination, and Health Needs Assessment
都市部のバンコクでは、洪水による化学物質流出が発生したためのHAZMAT Team派遣要請と本チームによる化学物質への暴露被災患者洗浄と医療搬送、災害時メンタルヘルスへの緊急対応などがシナリオに盛り込まれました。
Sub-EMTCC
Sub-EMTCC会議
医療活動の様子（カンボジア）
医療活動の様子（シンガポール）
オペレーション管理もチームそれぞれ
(左：フィリピン、右：カンボジア)
HAZMAT teamによる
化学物質汚染患者対応
搬送患者対応（シンガポール）
Health Needs Assessment
■ Nonthaburiサイト: 県営スタジアム/ Wat Chalermprakiat pier（船着き場）
Inject: Referral system (boat transportation), Flood-specific patients care (electric shock, drawing, etc.), Shelter Management and Health Needs Assessment, and Mental Health Crisis Management.
ノンタブリサイトでは河川沿いの洪水被害を想定し、洪水特有の傷病患者対応や患者の水上輸送、シェルター管理や災害時メンタルヘルスへの緊急対応などがシナリオに盛り込まれました。水上患者輸送は、Chalermprakiat寺院船着き場まで車両輸送され、医療ボートにてプラナンクラオ病院（ノンタブリ県立病院）までの搬送を実践しました。合同EMTオペレーションはノンタブリMERT と軍MERTとの協働医療提供運営がテストされました。
患者搬送経路
Sub-EMTCCの様子
Sub-EMTCC会議
Health Needs Assessment（ベトナム）
医療活動の様子（シンガポール）
水上患者移送
水上患者移送は海洋部（交通省傘下）との調整が必要で、ボート1艘につき1台の監視船がつきます。また、水上患者移送演習は公的サービスとNGOから割り当てられ、プレホスピタル医療の一環としてタイ国内ではNIEMが訓練を提供しています。
■ Pathum Thani サイト: Border patrol police region 1
Inject: Air Referral system (Sky doctor) and Mental health Crisis Management
パトゥムタニでは、主に航空患者搬送、MCI（Mass Casualty Incidents; 多数傷病者事故）、災害時メンタルヘルス対応演習が実施されました。タイでの航空患者搬送システム（Helicopter Emergency Medical Service: HEMS）の開発や法整備はNIEMが管轄しており、近年で精力的に整備化を進めてきました。
Sub-EMTCCの様子
Sub-EMTCC会議
MCI現場の初期対応を要請された
マレーシアとラオスのチーム ヘリによる患者搬送演習
Health Needs Assessment（ラオス）
タイとラオスは言葉が通じるため、被災者とEMT間でのコミュニケーションが取りやすいというメリットがあります。