第5回PIC会議を開催しました

2024年2月5日に第５回プロジェクト実施委員会（Project Implementation Committee、PIC）会議を開催し、今後のプロジェクトの取り組みに係る取り決めを行いました。

本プロジェクトでは現在パイロット地域において、住民や働く人を対象とした健康診断を実施しており、健康診断により特定された生活習慣病ハイリスク者への追加健診や行動変容のための動機付け（MI）面談を促す「ウェルネス推進システム」という取り組みを行っています。専門家チームは１月に8つのパイロット地のうち６つを訪問し、各コミュニティにおけるウェルネス推進システムの実施状況の聞き取り行いました。しかしながら、フィジーには多くの離島があり健康診断を実施するために保健施設の職員が海を渡らなければならず、また道路が整備されていない、保健施設が遠く公共交通機関も少ないという地域もあります。このような交通の問題や保健施設における人材不足など様々な課題を抱えており、適切な働きかけが困難であるという問題を確認しました。それを受けPIC会議では、地域に根付くコミュニティヘルスワーカー（CHW）への研修を実施しハイリスク者のモニタリングを行う、CHWから保健施設へ月に１度地域の健康状況報告をしてもらうなど、CHWと保健施設との連携を強化していくこととしました。

また、フィジーでは民間企業を対象とした健康診断制度が義務化されておらず、実施している企業は稀であるため、プロジェクトを通じて健康診断の実施や健康に関する研修を強化しています。プロジェクトが対象とするパイロット企業では、健康診断や研修を通じて各企業が取り組むべき保健課題を明確にし、行動計画の策定や実施支援を行うことで「健康促進企業」モデルの策定支援を行っています。今後、これらの活動を政策レベルに反映するために、各省庁との連携が重要であることをPIC会議で確認しました。