【アフリカ地域】アフリカ地域横断的セミナーの実施
世界の様々な地域で実施してきた本プロジェクト。アフリカでは、ケニアのコースト・ジェネラル病院、モザンビークのマプト中央病院、セネガルのダラルジャム病院と、3カ国3病院で活動を行ってきました。
2022年8月25日、これら3病院をオンラインでつなぐ「アフリカ地域横断的セミナー」を実施しました。
アフリカは国・地域によって言語、文化、宗教が大きく異なります。
この3カ国においてもケニアは英語とスワヒリ語、モザンビークはポルトガル語、セネガルはフランス語が公用語と様々です。地理的にもアフリカ大陸の東部(ケニア)、南部(モザンビーク)、西部(セネガル)と離れています。
今回のセミナーでは、3カ国3病院が自由に意見交換し、お互いの経験やグッドプラクティス(良かった例や取り組みなど)を共有するとともに交流を深めることを目的とし、互いが意見を交わす貴重な機会となりました。
公用語が異なる3カ国をオンラインでつなげる、進行の難しいセミナーでしたが、通訳と質疑応答の方法に工夫をしたことでとても円滑に進めることができ、3カ国から49名が参加いただけました。
セミナーでは3病院を訪問した日本人専門家が各病院に対するコメントを述べた後、各病院からスケジュールドケア(注)に対するコメントを共有し、その後お互いの病院に対する質疑応答を行いました。
「COVID-19対応の主な課題は何か?どのように重症例や多くの患者に対応したか?」、「我々アフリカ各国はICU治療のために限られた資源しか持っていない。このような中で、どう課題に対応しているのか?」、「スケジュールドケアで最も役立ったのは、患者の体位転換と気管挿管中の患者に対するケアの方法だったと感じている。あなた方はスケジュールドケアでのアドバイスで得たものは何か?」などを互いに質問し、共通の課題について議論できたことは、3カ国3病院の交流促進に役立ちました。
本プロジェクトのアフリカ地域でのスケジュールドケアは2022年9月末に終了しますが、プロジェクト終了後のさらなる交流と、本プロジェクトで得たものを活かし、それぞれの国の保健医療体制のさらなる発展が期待されます。
(注)スケジュールドケア:新型コロナウイルス感染症患者を含むICU患者の治療やケアに関して定期的に行われる、日本と現地の医療従事者間の症例検討と助言
活動現場での写真
アフリカ地域横断的セミナーの様子