中央子ども病院サービス向上プロジェクト
The Project for Improving Services of Children's Hospital in Freetown
実施中案件
- 国名
- シエラレオネ
- 事業
- 技術協力
- 課題
- 保健医療
- 協力期間
- 2022年3月~2026年3月
プロジェクト紹介
本プロジェクトでは、オラドゥリング中央子ども病院で、質の高いサービスが提供できるように病院経営の強化と人材育成(看護管理・医療機材管理)を行い、日本の無償資金協力「フリータウン子ども病院強化計画」にて新設されるフリータウン小児医療センター開院後は、その活動場所をフリータウン小児医療センターへ移し継続して同様の活動を行い、安全で質の高い小児医療サービスの提供を目指しています。
協力期間は、2022年3月より4年間を予定し、病院管理・看護管理・医療機材保守管理・研修管理を専門とする専門家チームが現場で技術指導にあたります。また病院スタッフを対象に看護管理専門家が所属する大阪赤十字病院での研修も行い日本の医療技術だけでなく、院内感染を防ぐ清潔な病院づくり、真摯に患者さんに向き合う日本の医療者のこころも学んでいただく計画です。
シエラレオネでは、2010年に妊産婦・授乳期母親・5歳未満児などを対象に無償医療の提供が開始され、同時に保健所の新規設置、簡易に取得できる医療資格の増設などで母子保健サービスへのアクセスの改善をはかり、脆弱な保健サービスの改善に取り組んできたが、2014/2015年のエボラ出血熱大流行、2019/2021年の新型コロナ流行などで母子保健サービスの停滞を余儀なくされ、改善の兆しを見せていた母子保健サービスは逆行することとなった。
海外からの支援も継続して投入され、母子保健の改善に取り組む中、妊産婦死亡率は大きな改善が観察されたものの、小児の生存にかかる指標はいまだ劣悪な状況にあり、改善傾向も非常に緩やかな現状となっている。
シエラレオネでは、重篤な状態にある小児は国内唯一の小児専門病院である首都フリータウン市のオラドゥリング中央子ども病院が対応しているものの、施設の老朽化・常時100%を超える入院患児数・不足する医療機材などの理由から提供できる医療サービスの質は低く、専門病院としても機能は果たせていない。
毎年1200-1500人の子どもがオラドゥリング中央子ども病院で亡くなっているが、適切な治療を受けられていれば、その多くは避けられる死であった。と言われている。