コレラ・アウトブレイク対応 発生状況の「見える化」に取り組んでいます。
プロジェクトでは、コレラを含む下痢症サーベイランス(AGEサーベイランス)を通じて、病気の発生状況を明らかにする疫学調査や、抗菌薬が効きにくい細菌が出ていないかを調べる薬剤感受性の検査体制などを整えて来ました。
2023年10月に首都ルサカで発生したコレラ・アウトブレイクでは、この体制を活用し、アウトブレイク中の疫学情報の収集や薬剤感受性の検証に取り組んでいます。
その中でも、特に、地理情報システム(Geographic Information System:GIS)を使った流行状況の「見える化」は重要なデータ分析・活用支援であり、力を入れていて取り組んでいます。今どこで感染が拡がっているのか、どのような地域の性質が被害拡大につながっているのか、などの情報が視覚的にわかりやすく理解できる地図は、すべての人が一目で状況を把握できるため、非常に重要なツールです。そのために、プロジェクトでは、過去のザンビア国内のコレラ・アウトブレイク時のデータ分析などを通して、次のアウトブレイクが発生した際に迅速に「コレラ地図」を作ることができるよう準備を行ってきました。
このような体制を生かし、今回のコレラ・アウトブレイクでは、発生直後から、コレラ患者の発生地域や、上下水道が十分に整備されていない、などの地域の性質との関連性を示すコレラ地図の作成を行っています。作られた地図は、保健省やZNPHI等から構成される緊急対応班の会議内で共有され、コレラ治療センター、緊急給水設備、経口補水センター等の設置場所の選択や運用計画の立案に役立てられました。
①ザンビア国立衛生研究所(Zambia National Public Health Institute:ZNPHI)の感染症専門家とコレラ流行状況を示すコレラ地図の作成を行う今村専門家
②保健省の感染症職員に対して地図の作成方法を指導する今村専門家