About Machine Translation

This site uses machine translation. Please note that it may not always be accurate and may differ from the original Japanese text.
This website uses a generative AI

JICA本邦研修「公衆衛生上重要な感染症検体の安全な取扱・診断」を実施しました

感染症対策のためのラボサーベイランス強化プロジェクトでは2025年1月20日から2月4日まで、JICA本邦研修「公衆衛生上重要な感染症検体の安全な取扱・診断」を実施しました。この研修は、JICA国別研修として企画した研修をJ-GRID+事業*に実施面で一部支援をいただいたものです。この研修には、ザンビア共和国で公衆衛生上重要な感染症の診断を担う、ザンビア国立公衆衛生研究所レファレンス・ラボラトリー(ZNPHRL)、ザンビア中央獣医研究所(CVRI)、ザンビア大学獣医学部(UNZA-SVM)から合計7名の研修員が参加しました。

この研修はZNPHRLが公衆衛生検査室としての任務を果たすために、公衆衛生上重要な感染症疑い検体が持ち込まれた際にその検体を安全に取り扱い、必要な検査を実施する能力を強化するために実施しました。また、こうした公衆衛生上重要な感染症は人獣共通感染症であるケースも多く、その制御にはワンヘルス(One Health)アプローチによる取り組みが重要です。そのため、検体の安全な取り扱いと正確な診断のためには、ZNPHRL以外にもザンビアで感染症診断・研究に重要な役割を果たしている上記2機関との密な連携が必須であり、今回合同での研修開催が実現しました。

研修前半では北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所にてバイオセーフティレベル(BSL)3施設における公衆衛生上重要な感染症検体の安全な取り扱いとその培養に関する実習を行うとともに、併せて遺伝子検査に関する実習を行いました。
こうした公衆衛生上重要な感染症検体の取扱手技や検査法について、今後自施設での実施に向けて標準作業手順書の作成が必要となるZNPHRL職員からは、本研修で学んだことを今後の業務に活かしたいとの言葉がありました。また、すでに同様の感染症検体の検査を実施している機関からの参加者からも、自施設で実施している方法とは異なる手法を学べたことは今後の検査方法の改良につながるとの言葉がありました。

画像

北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所のバイオセーフティレベル(BSL)3施設にて実習内容の説明を受ける研修員

画像

北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所のBSL3施設にて細菌培養の実習を行う研修員

画像

北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所での実技研修パートの修了式の様子

研修後半では国立感染症研究所および国立国際医療研究センターにてバイオリスクマネジメントに関する講義および個人用防護具の着脱に関する実習を行いました。

ZNPHRLで新たな感染症検体の受入を始めるためには、自施設でその感染症検体をどのように安全に取り扱うことができるか検討する必要があります。バイオリスクマネジメントの講義では、実際の国立感染症研究所での安全管理について紹介がありました。参加した研修員からは、日本の国立感染症研究所が、どのような日本の法律に基づきどのようなルールを所内で策定し、それをどのように運用しているか、安全管理の実際について知ることができ、今後所属先でも取り入れたいルールやシステムについて多数学ぶことができたとの声がありました。また、国立国際医療研究センターでの個人用防護具の着脱に関する実習では、研修施設内の各区域の汚染度とゾーニングを意識した着脱方法と適切なタイミングを学ぶことができたとの声が聞かれました。アクションプラン策定においては、参加した3機関により今後共同でリフレッシャー研修を行う計画が議論されるなど、ザンビアにおける公衆衛生上重要な感染症検体の安全な取り扱いや診断について今後さらに連携を深めるための協議がなされました。

画像

国立国際医療研究センターにて個人用防護具の着脱をする研修員

画像

国立国際医療研究センターにて

画像

国立感染症研究所での研修コース全体の修了式の様子

最後に、本研修の実施に当たり、お世話になった北海道大学、国立感染症研究所および国立国際医療研究センターの関係者の皆様に、研修員およびJICAプロジェクトより心よりお礼申し上げます。


* J-GRID+(感染症国際研究拠点連携プログラム):国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の研究班の事業で、海外拠点の連携推進を目的に、海外11拠点にコア拠点を加えて実施している「感染症国際研究拠点連携プログラム」です。
プロジェクト概要 | J-GRID+