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コミュニティ・サーベイランスの試験運用 -低所得者居住区内の下痢症流行を早期検知するには?-

プロジェクトでは、ザンビア国立公衆衛生研究所(ZNPHI)とともに、コレラを主対象とした下痢症サーベイランスの立ち上げ・運営を支援しています。2023年以降、コレラホットスポット(注1)にある公立診療所を定点サーベイランス・サイトとし、下痢症を訴えて医療受診した患者さんを対象に、臨床疫学情報収集・便検査を行ってきました。しかし、コレラホットスポットの一部は低所得者居住区と重なっており、貧困や知識不足など様々な理由で、症状があるのに医療施設を受診しない住民が多いことが問題となっています。そのようなエリアでサーベイランスを実施するにあたり、「診療所で患者さんを待っているだけでは、コレラなどの下痢症流行を早期検知することができないのではないか」「診療所で患者さんを見つける頃には、コミュニティ内で流行が拡がってしまっているのではないか」という懸念がありました。

そこで、2025年4月、プロジェクトは定点サイトの一つであり、ルサカ市内で最も大きな低所得者居住区の一つでもあるカニャマ地区で、新たな試験的取り組み「コミュニティ・サーベイランス」を開始。毎月第4週の平日5日間、コミュニティ内を巡回し、下痢症を訴えた住民から便検体を収集しました。

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コミュニティ・ヘルス・ボランティア職員と今村忠嗣チーフアドバイザーによるカニャマ地区コミュニティ内の巡回の様子

コミュニティ内の巡回を担当したのは、診療所に所属するコミュニティ・ヘルス・ボランティア職員です。自らもカニャマ地区に住み、普段から様々な公衆衛生活動を地区内で実施するボランティア職員だからこそ、住民の方々も信頼して自身の症状を打ち明け、便検体収集に協力してくれました。

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コミュニティ・ヘルス・ボランティア職員による住民への聞き取りと便検体収集の様子

コミュニティで収集された便検体は、ザンビア国立公衆衛生研究所レファレンス・ラボラトリー(ZNPHRL)に輸送され、プロジェクトで策定したコレラ疑い検体の検査手順に沿って便検査が行われました。便中には、下痢症を引き起こす様々な病原体(ウイルス・細菌など)が確認されました。

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ZNPHRL職員によるコミュニティ担当職員への便検査結果の共有

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取り組みを開始してから1年。便検査件数は数百件を超え、地区内の診療所より早く、公衆衛生対応を要する下痢症の流行を検知できた事例も多数に上ります。コミュニティまで感染症監視体制を広げることの意義を実感する一方、限られた人数で様々な公衆衛生対応にあたるボランティア職員の職務負担は重く、大規模なフィールド活動の実施頻度を増やしたり、対象地域を拡げることは困難な状況であり、解決すべき課題もあります。コレラホットスポットや低所得者居住区に適した効果・効率的な下痢症サーベイランスのデザインを模索すべく、挑戦の日々が続きます。

注1:コレラ流行の発生危険度が高く、アウトブレイクへの備えや警戒が必要であるとザンビア保健省により定められている地域のこと。

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活動に参加してくれたコミュニティ・ヘルス・ボランティア職員の方々と今村チーフ